今回は、2,000万円程度の資産を運用したいと考えている方に向けて、どのような方法で、どの程度の利回りを目標にするべきかを考えていきたいと思います。

ここでは、メジャーな運用方法である「投資信託」と、2,000万円というまとまった資金があるからこそ活用できる「ヘッジファンド」にフォーカスし、それぞれの特徴についても掘り下げていきます。

 

2,000万円を運用するとなると、利回りが数パーセント変わるだけで数年後には大きな差になってきます。じっくりと様々な選択肢を検討し、ベストな運用を実践したいものです。

 

2,000万円の運用で狙うべき利回りとは

まずは「どの程度の利回りを狙うべきか」について考えていきましょう。

1,000万円〜2,000万円程度の資金を元手に運用するのであれば、年10%程度の利回りを目標にするのが良いでしょう。

 

運用をしていると、少しでも高い利回りを狙いたくなるものですが、年20%,30%というような利回り目標は現実的ではありません。

長期で運用しようと考えるのであれば、金融の世界のトップを走る世界的なトレーダーでも、年利に換算すると、利回りは20%に届かない程度です。

 

それでも長期で安定運用することで、「複利の効果」で雪だるま式に資産を増やしています。

例えば、「投資の神」とも呼ばれるウォーレン・バフェット氏(Warren Edward Buffett ,世界最大の投資持株会社バークシャー・ハサウェイの筆頭株主であり会長兼CEO)ですが、50年で資産を5,000倍にもしているものの、これは年利に換算すると年19%です。

 

個人(素人)投資家が、手元の利回りで現実的に狙えるのは年10%程度です。

無理に高いパフォーマンスを追求すると思わぬリスクを抱え込むことになります。現実的に安定した成果を残せる目標を設定することが重要です。

 

余談にはなりますが、私は、基本的に500万円以下の資金で運用を始める必要はないと考えています。

100万円や200万円を数%ずつ(年数万円)増やしたところでほとんどインパクトがないためです。手元の資金が数百万円程度であるならば、運用を考えるよりも前にまずは収入を増やす、貯蓄性向をあげる、ということを考えて、資金を用意することを優先した方が良いでしょう。

 

一方で、5,000万円を超えるようなまとまった資産がある方についてですが、この場合は6~8%程度の利回りを目標にするのが良いでしょう。6~8%程度の利回りであれば、かなりリスクを抑えた状態で安定した運用を実現することができます。

詳しくは以下の記事にまとめていつので、興味のある方はぜひご一読ください。

 

投資信託の特徴

一口に「投資信託」と言っても様々な種類があり、それぞれに特徴があります。

ここでは、数ある投資信託を「テーマ型投信」「全世界型投信」「独立系投信」の3つに分けてそれぞれについて考えていきましょう。

 

テーマ型の投資信託

「テーマ型」と呼ばれているのは、いわゆる流行っている業界や地域に集中的に投資しているような投資信託のことです。最近では「AI投信」「ロボテック投信」「バイオテック投信」「東南アジア投信」「インド投信」などがあります。

投資信託として、最も流行っていると言ってもよいテーマ型投信ですが、これは安定的な資産運用には向かないので絶対に避けるべきです。

 

テーマ型の投資信託に問題があるのは、これらが完全に投機的な商品であるうえ、こういった流行りに乗るテーマ型の投資信託は歴史的にほとんど投資家に利益をもたらしていないためです。

そもそもテーマ型投信が設定(設立)される背景には、証券会社のビジネスモデルが手数料頼みという問題点があります。

 

このあたりの話については、「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド」という投資信託を例に、以下の記事で解説していますので一読頂ければと思います。

 

全世界型の投資信託

全世界型の投資信託とは、世界の株式や国債に分散投資をするようなタイプのものです。

個別の企業や特定の領域に投資するのではなく、世界の経済成長そのものに投資するような意味・意義があります。

 

これはそこそこ「アリ」な選択肢です。全世界に投資をする方法であれば、モノにもよりますが安定して一定のリターンを期待することができます。

おすすめは「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」です。詳しくは以下の記事をご一読ください。

 

独立系の投資信託(ひふみ投信など)

最後に「独立系の投資信託」を考えてみましょう。これは、証券会社経由で取引するものではなく、運用している会社に直接アカウントを作って売買するものです。

独立系投信は、一つ一つ特徴が異なるため、個別に精査していきたいと思います。

 

まず「さわかみファンド」「ありがとうファンド」「鎌倉投信」あたりのファンドについてですが、これらは手数料を込みで考えたパフォーマンスが長年に渡り市場平均を超えていません。運用の選択肢からは外してよいでしょう。

 

一方で「ひふみ投信」のように可能性があるものも存在します。

2018~2019年にかけて成績がスローダウンしましたが、やはり競争力のある企業へと投資をしていく方針は引き続き納得感があり、今後再浮上する可能性は大いにあると思います。

詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。

 

ヘッジファンド(プライベートファンド)の特徴

次に「ヘッジファンド(プライベートファンド)」について考えてみましょう。

ヘッジファンドは、数十万円〜数百万円程度では契約することができないため、なかなか運用の選択肢に挙がることは無いかもしれません。

 

しかし、2,000万円程度の資金があれば十分に投資先の候補として検討に値します。ヘッジファンドと呼ばれる少数精鋭の投資機関は、一般的に1,000万円程度から投資を受け付けています。

 

多くのヘッジファンドは、外資系投資銀行などの出身の優秀なトレーダーが、何人かの大口顧客を抱えて設立したものです。

ヘッジファンドは、一般的な投資信託とは異なり、ファンドマネージャーとよばれる投資先の選定をする運用責任者のレベルが非常に高いのが魅力的です

 

投資の世界では、リテラシーの低い多くの個人投資家が、一部の能力あるプロ投資家や機関投資家に敗北してきたという歴史があります。

長期に渡り自らの資金を預け入れるのあれば、プロの力を活用するのはかなりオススメできます。

ヘッジファンドの魅力や投資方法については以下にまとめていますので、興味のある方はぜひご一読ください。

 

2,000万円を運用するおすすめのポートフォリオ

ここまで解説してきたように、資産運用の方法(投資信託やヘッジファンド)は様々ありますが、重要なのはそれらを上手く組み合わせて、適切なリスク・リターンのバランスに調整することです。

2,000万円の元手で、年10%程度の利回りを目指すのであれば、ヘッジファンド1,500万円残り500万円を全世界株式型の投資信託やETF、に投資するのがおすすめでしょう。

ヘッジファンドで年8~15%程度の利回りを、全世界型の株式で年3~5%程度の利回りを狙います。

 

ここで重要なのは、出資するヘッジファンドの戦略です。

これが、全世界型、とくに海外の中でも米国や中国に偏重した投資しているものの場合、ポートフォリオ全体が全世界の株式の動向と強い相関を持ってしまいます。

 

ここでは、できるだけ海外に投資するものを避け、国内の企業に投資するものや、マーケット(市場)の影響を受けにくい、未公開株(非上場の企業)に投資するものを優先するべきです。

ヘッジファンドの運用も会社ごとに様々なので、投資戦略・運用方針などはきちんと確認するようにしましょう。

 

おわりに

今回は2,000万円を運用するにあたって、特に投資信託とヘッジファンドを中心に掘り下げて考察してきました。

資産運用の方法は、運用に投じる資金の多さや運用の目標(利回り)によって変わってきます。もちろん、投資先によっても期待できる利回りやリスク・リターンのバランスなど様々です。

是非、きちんとゴール設定をして、適切な方法を組み合わせ(ポートフォリオを組んで)、質の高い資産運用を実現させてください。

 

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