「ニッセイ外国株式インデックスファンド」をご存知でしょうか。

「投信ブロガーが選ぶFund of the Year」で、2014〜2016年に3年連続で第1位、2017年も第2位にランクインしている、個人投資家に大人気の投資信託です。

今回はその人気の秘密に迫っていきたいと思います。

 

ニッセイ外国株式インデックスファンドとは

ニッセイ外国株式インデックスファンドの基本情報

  • 商品名:<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
  • 主要投資対象:日本を除いた先進国の株式市場
  • ベンチマーク:MSCIコクサイ・インデックス
  • 商品分類:追加型/海外/株式
  • 信託期間:無期限 (設定日:2013年12月10日)
  • 購入時手数料:なし
  • 信託財産留保額:なし
  • 運用管理費用(信託報酬):純資産総額に対して年率0.11772%(税抜0.109%)以内をかけた額
  • 為替ヘッジ:なし
  • 委託会社:ニッセイアセットマネジメント株式会社

参考:<購入・換金手数料なし> ニッセイ外国株式インデックスファンド|マンスリーレポート(2019年11月末現在)
https://www.nam.co.jp/report/pdf/m121332.pdf

 

投資対象国は先進国がメイン

まずは「ニッセイ外国株式インデックスファンド」の概要から確認していきましょう。

ざっくり言うと、ニッセイ外国株式インデックスファンドは「日本以外の主要先進国に投資する投資信託」です。

出典:投資信託説明書(交付目論見書)|<購入・換金手数料なし> ニッセイ外国株式インデックスファンド
https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/connect/fund/2931113C00000025.pdf

 

これは国・地域別に見た資産状況です。アメリカが66.3%とダントツで多くなっており、2位のイギリス(7.1%)と大きな開きがあります。

つまり、ニッセイ外国株式インデックスファンドは「大部分をアメリカに、その他日本以外の先進国に分散投資している投資信託」だと言えます。

 

ファンドのパフォーマンスについて

インデックスファンドとは

「ニッセイ外国株式インデックスファンド」という名前に注目すると「インデックスファンド」という表現が出てきます。これは、他の投資信託でも見られる表現です。

 

インデックスファンドとは、「ある株式指標(インデックス)の動きに連動する投資成果となるように組成されたファンド」のことです。

代表的な株式指標(インデックス)には

  • 日経平均株価
  • TOPIX
  • NYダウ

などがあります。

株式指標(インデックス)は日本なら日本、アメリカならアメリカの市場全体の動きを表すことがほとんどですので、経済全体が成長すれば上がり、不況になれば下がります。

 

つまり、インデックスファンドは、特定の国や地域の経済状況に応じて利益や損失が出るように運用されるファンドとなります。

例えば、TOPIXに連動するようなインデックスファンドであれば日本の株式市場(経済)が成長すれば利益が出ますし、日本の株式市場が暴落すれば損をします。

 

ベンチマークは「MSCIコクサイ・インデックス」

ニッセイ外国株式インデックスファンドでは、「MSCIコクサイ・インデックス」に連動するように商品設計されています。この連動させる対象の株式指標(インデックス)を「ベンチマーク」と言います。

 

MSCIコクサイ・インデックスとはアメリカのモルガンスタンレー・キャビタル・インターナショナル社が提供している指標です。算出が開始されたのは1986年3月31日であり、30年以上の実績を誇る歴史ある指標です。

 

このインデックスからは日本株が除外されており、日本において外国株式の動向を図る指標として広く使われています。

もちろん、MSCIコクサイ・インデックスをベンチマークに設定しているのは「ニッセイ外国株式インデックスファンド」に限った話ではなく、他にも採用している投資信託はあります。

つまり、同じようなパフォーマンス(値動き)をする投資信託は他にもあるのです。

 

類似銘柄との比較

同じベンチマークを使っている投資信託

先述の通り、ニッセイ外国株式インデックスファンドと同じ「MSCIコクサイ・インデックス」をベンチマークに設定している投資信託は1つではありません。

例えば「eMaxis Slim 先進国株式インデックス」が挙げられます。

これは三菱UFJ国際投信株式会社が運営している投資信託ですが、ベンチマークは同様にMSCIコクサイ・インデックスを設定しています。

 

運用成績の比較

ここ1年の運用成績を比較してみましょう。

参考:投資信託のモーニングスター|スナップショット[ニッセイ 外国株式インデックスファンド] http://www.morningstar.co.jp/FundData/SnapShot.do?fnc=2013121001

 

運用成績が似通っている為、1本しか線が無いように見えますが、オレンジ色の線が「ニッセイ外国株式インデックスファンド」、赤い線が「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」です(※2018年8月ごろを見ると線が2本あるのが分かるかと思います)

ベンチマークとしているインデックスが同じなので、当然、パフォーマンス自体はほぼ似たようなものになります。

 

トータルリターンを比較してみましょう。(2018年10月31日時点)

<ニッセイ外国株式インデックスファンド>

参考:ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド |投資信託・外貨建MMF|SBI証券
https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?Param6=22931113C

 

<eMAXIS Slim 先進国株式インデックス>

参考:三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国株式インデックス |投資信託・外貨建MMF|SBI証券
https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?s_rflg=1&Param6=203319172&int_fd=fund:psearch:search_result

 

eMAXIS Slim先進国株式インデックスの方が運用の歴史は浅いですが、ここ1年間の結果を見ると0.1%ほどリターンが高くなっており、厳密にまったく同じではありませんが、ほぼ同じ成果と言って問題ないでしょう。

 

手数料を比較する

<ニッセイ外国株式インデックスファンド>

  • 購入時手数料:なし
  • 信託財産留保額:なし
  • 運用管理費用(信託報酬):年率0.11772%(税抜0.109%)以内

 

<eMAXIS Slim 先進国株式インデックス>

  • 購入時手数料:なし
  • 信託財産留保額:なし
  • 運用管理費用(信託報酬):年率0.11772%(税抜0.109%)以内

 

手数料については両者に差は見られませんでした。

 

ニッセイ外国株式インデックスファンドが人気の理由とは

類似したeMAXIS Slim先進国株式インデックスとの比較でもわかる通り、同じベンチマークを採用しているインデックスファンドのパフォーマンスには違いがありません。そこで重視されているのは、手数料の低さです。

 

類似商品との比較でもわかるように「ニッセイ外国株式インデックスファンド」の手数料は最低水準にあります。つまり、同じパフォーマンスをするものの中で、最もムダなく投資できるのがこの投資信託ということになります。

 

「ニッセイ外国株式インデックスファンド」は設定も古く、長い期間運用しているので、同じ水準の他の銘柄よりも人気が集まっているのでしょう。

 

また、もう一つこの投資信託が人気の背景には「MSCIコクサイ・インデックス」というインデックスへの期待が含まれています。つまり、日本を除く先進国の経済が成長することに期待している人が多いのです。

米中関係やTPPなど、世界を取り巻く経済環境は目まぐるしいものがありますが、最終的に経済は発展していくと考えているからこその、人気と言えるでしょう。

 

資産運用において重要なこと

このようにインデックスファンドの中でも、手数料の安い「ニッセイ外国株式インデックスファンド」に人気が集まっていることがわかりました。たしかに、同種の投信の中では、低コストであることには疑いないでしょう。

 

しかし、ここで注意しなければならないポイントが2つあります。

1つはインデックスファンドは、市場の暴落によって簡単に値崩れする可能性があるということです。

詳しくは、以下のページでも詳しく解説していますが、2010年以降世界経済は順調すぎる推移を見せており、今後簡単に暴落する可能性を秘めているのです。

 

つまり、これはインデックスファンドの多くが、数年のうちに大きく値崩れする可能性を秘めていることにも他なりません。

※2020年4月追記
実際に、コロナショックによって世界経済は大きく混乱しています。インデックスファンドの多くも、同様に暴落してしまっています。

 

また、手数料についても、目先の数字が小さいものが本当におトクかどうかは難しいところです。そもそも投資信託には目に見えないコストが多重にかかっているという問題もあります。

 

安定した資産運用を考えるのであれば、投資信託だけに限らず、ヘッジファンドのようにきちんとリスクヘッジした運用をするサービスにも目を向けるべきです。以下のページでおすすめのファンドも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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