投資信託で大損してしまったという話はよく耳にします。

資産運用の相談にくる方にも、投資信託で痛い目を見たという方は多くいらっしゃいます。

 

今回は、過去に運用で失敗した経験のある人にインタビューに協力していただき、なぜ投資信託で失敗してしまうのかを考えていきたいと思います。

楽しい話ではありませんが、投資信託で大損してしまう人を減らすためにも、自分は投資初心者かもしれないという方はぜひ参考にしてみて下さい。

 

− 以下、インタビューに回答していただいた方の発言を中心にお送りいたします。

資産運用の検討〜開始

運用に至った経緯

ー投資信託での運用を始めた経緯は何ですか?

そもそもの始まりは、銀行からの営業の電話です。私は50代の会社員ですが、役職定年を先に迎えたため退職金の一部が振り込まれました。

 

そのため、まとまった資金が手元に入ったのです。まだ会社で働いていきますし、当分使う予定もないので預金として遊ばせておくのはもったいないと思い投資を考え始めました。

 

そんな頃が銀行から電話がかかってきっました。ちょうどいいタイミングだなと思い、話を聞きに行くことにしました。

 

今思うと私の銀行口座をチェックしていていたのだと思います。

 

投資経験の有無

ーこれまでも積極的に投資をされていたのですか?

いえ、これまでは積極的にするというよりは、ちょこっと投資信託を買ったことがあるくらいです。ほとんど知識もない初心者でした。

そのため、窓口まで話を聞きに行こうと思ったのです。大手の銀行ですから信頼していましたし、まさかこんなことになるとは思いませんでした。

 

投資先の検討(窓口での相談)

投資先の相談〜検討

ー銀行ではどのようなお話しをされましたか?

1,000万円くらいのまとまった資金を運用に回せる余裕ががあったので、これをどうにか投資していきたいという話をしました。

私もまったく何も知らないで相談に行くのは不安があったので最低限のことは本を読んだりして勉強しました。

 

私は日本株投資が良いんじゃないかと考えたので、これから上がっていきそうな投資信託はないかと聞きました。

日経平均も好調に思えましたし活気があると感じたのです。

 

しかし、銀行の担当者が紹介してきたのはブラジル株関連の投資信託でした。

BRICsに数えられる国ですし、将来を考えたら日本よりもブラジルの方が成長余力が残っていると。

 

完全に納得したわけではありませんでしたが、私は投資の初心者ですし、向こう(銀行)は金融のプロフェッショナルですから、そちらの方が間違いがないと思い、結局はおすすめされた投資信託を購入することにしました。

 

損失の発生〜資産運用からの撤退

運用の成果

ーその後、運用の成果はどのようなものでしたか?

銀行におすすめされて購入した、ブラジル関連の投資信託の結果は、散々でした。

半分以下にはなりませんでしたが、それに近い様な下落を見せ、売るに売れずに塩漬けとなってしまいました。

大切な退職金が大きく目減りししまったと思うと、とても悲しい気持ちになりますし、同時に悔しい気持ちもこみ上げてきました。

 

下落後の対応

ー下落した後はどのようなやり取りをされたのですか?

下落してしまったものはもうしょうがないと思い、諦めて売ることにしました。

 

ただ、その話をしたら銀行の担当者は他の商品への買い替えを勧めてきたのです。

「また同じようなことになったら大変だから投資信託はもうやりたくない」という話をしても、「今が買い時です!」と今度はロボット関連の投資信託を提案してきました。

 

以前の私であれば、信頼して預けていたかもしれませんが、さすがにもう信頼がなくなっていたので多少争うような形にはなりましたが資金を引き上げてきました。

 

おかげでその分の資産は守られました。

しかし、大幅に資産が目減りしてしまった事実は変えられません。

 

不用意に投資をした私がいけなかったのでしょうか?

 

参考にしたい2つのコト

今回の体験談で参考になる点は2つあります。

  1. 銀行の担当者が運用のプロではないことを理解していなかった
  2. 投資は自己責任で意思決定するものだという事を理解していなかった

 

まず1つ目は、銀行の担当者が運用のプロではないことをきちんと理解していなかった点です。

彼らは「販売のプロ」であって、運用そのものについては詳しくありません。

耳障りの良いセールストークを並べてきますが、内容はペラペラなのです。

さらに、彼らがおすすめしてくる投資信託というのは銀行側がそのタイミングで売りたい(銀行の利益になる)商品であり、儲かる(投資家の利益になる)商品ではない傾向が高いです。

そのため、彼らの言いなりになって投資先を決定してしまうと、この方のように痛い目に合うことになります。

 

2つ目は、あくまで投資は自己責任で運用の意志決定をしなければならないという点です。

自分なりに勉強をしてから相談に行った点は素晴らしかったと思います。

ただ、少し厳しい言い方になってしまいますが、「銀行員の人に言われたから」という理由で意思決定をしてはいけません。

 

彼らの提案は、参考にはなっても、最終判断は自分自身で責任を持ってしなければならないのです。

 

投資の世界に100%絶対大丈夫な商品は存在しません。

もし仮に負けたとしても納得できる状態で始めることが大切なのです。

 

「銀行員の人に言われたから・・・」という理由では、今回のように利益が出なかったときに何がよくなかったのかを振り返ることもできず、次に活かすこともできません(少なくとも、信用に値しないということは勉強になりましたが...)

しっかりと、自分自身の頭で考え、吟味し、納得できるものに投資するようにしましょう。

 

みなさんも

「銀行の人が言ってるから」

といった思考停止状態に陥らずに、ぜひ自分の目で見て色々な商品を検討してみて下さい。

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