「投資をしたいけど何がおすすめか分からない」
「あんまりリスクを取りたい訳ではないけど、多く増えればそれはそれで嬉しい」

このように投資を始めてみたい、始めてみたものの具体的に何をしたらよいのかわからないという人は少なくありません。

今回は投資信託の利回りや定期預金の金利など、商品ごとの概要を比較しつつ、おすすめできるものを検討していきたいと思います。

 

定期預金の3つのメリット

1. 元本が保証されている

まずは「定期預金」のメリットから見ていきたいと思います。

いわゆる普通預金だけでは物足りない人がまずはじめに検討するのがこの「定期預金」でしょう。

 

定期預金のメリットは、何と言っても元本保証であるという点です。銀行に預けている訳ですから、元本は保証されており減ることはありません。

ただし、ペイオフには注意しなければなりません。仮に銀行が倒産した場合、預金額は普通預金と合わせて1,000万円までしか保証されないのです。

そのため、1,000万円以上の額を定期預金に入れると、元本保証されていないのに非常に低金利で運用する事になるので注意して下さい。

 

2. 普通預金より金利が高い

一般に定期預金の金利は、普通預金と比較して高く設定されています。例えば、三菱UFJ銀行では以下のようになっています。

  • 普通預金 0.001%
  • 定期預金 0.01%

なんと定期預金の金利は普通預金の10倍となっています。仮に1,000万円を運用すると

  • 普通預金:100円/年
  • 定期預金:1,000円/年

となります。

 

3. 金利(利回り)が確定している

定期預金では金利が確定しています。これは株や投信とは大きく異なる大きなポイントです。

これにより利回りがいくらになるか計算することができ、満期まで保有すれば確定します。

 

そのため、投資につきものの精神的な負担を軽減することができます。

「今日は株価が上がったから嬉しい、でも明日下がったらどうしよう」
「今日は株が値下がりしたからショック、ずっと下がり続けたらどうしよう」

といった、不安にかられることもありません。一喜一憂するのが好きではない方には、好ましい方法でしょう。

 

定期預金の3つのデメリット

① インフレ(物価の上昇)に弱い

普通預金の金利よりははるかに高いとはいえ、定期預金でも金利はたいしたことありません。元本保証である代わりに、良くも悪くも大きく資産が増えないのです。

そのため、インフレ(物価の上昇)ついていけないかもしれないというリスクが伴います。

 

インフレとは物価が値上がりすることでお金の価値が下がることです。物価が上昇すると、一昔前には80円で変えていたが今は120円払わないと買えなくなったりします。

単に値上げととることもできますが、世の中全体でこれが進んだ場合、相対的に貨幣(通貨)の価値が下がっていることになります。先の例であれば、物価が1.5倍になっていますので、お金の価値は2/3倍になっているのです。

つまり、1,000万円の預金であれば、その価値は当時の667万円と同程度ということになります。

 

近年の日本では物価の上昇というのは体感しづらいかもしれませんが、インフレは着実に進行しています。インフレには経済成長も伴うので、国としても年2%を掲げているのです。

つまり、年2%以上の利回りで運用できない定期預金の金利ではインフレ(経済成長)についていけなくなるリスクがあります。

 

② 自由にお金をおろせない

定期預金では、預金を下ろせるタイミングが決まっています。

厳密に言えば、中途解約もできますが、満期まで保有することで約束されていた金利がつくシステムなので、満期より前に解約すると利息が減ることがあります。

 

保険と違って元本を棄損するということはないでしょうが、期待していた利益は得られなくなります。

お金を必要な時にすぐ引き出せるか引き出せないか(資産の「流動性」)のは意外と重要なポイントになってきますので運用を考えるときは考慮するようにしましょう。

 

③ 定期預金で運用しても儲からない

結局、大切なのはここです。

「定期預金で運用しても金利が小さすぎて儲かりません」

 

普通の預金の10倍の金利がついても、1,000万円を1年間運用してたったの1,000円(0.01%)しか得られません。1億円預けても年間1万円です(ペイオフのリスクがあるにも関わらずです)。

 

1,000円増えたところで何になると言うのでしょうか。資産を増やすと言う意味では、定期預金という手段は難しいと言わざるを得ないでしょう。所詮は、普通預金と比較した場合の気休め程度にすぎないのです。

 

投資信託の3つのメリットとは

1. 何も考えなくても運用できる

投資信託では運用会社に運用自体を任せることができます。自分の頭であれこれ考えて運用していく必要はありません。

株であれば企業を調べたり、株価をチェックしたり財務情報を調べたりする必要がありますが、そういったことも必要ありません。

 

投資信託を1つ購入すると、複数の会社の株に投資していることになるため、その手間も軽減されます。

まさに、「お手軽な」金融商品です。

 

2. 利益が出るかもしれない

投資信託の基準価格は、含まれている銘柄(株式)の株価に合わせて上下しています。

そのため、年利10%や年利30%といった大きなリターンが出ることもあります。仮に、1,000万円資金を入れて年間の利回りが30%であれば「1,000万円 → 1,300万円」となります。

上手く儲かる(値上がりする)投資信託を選択することが出来れば大きく資産を増やすことができます。

 

もちろん、あくまでも「可能性」の話であり、投資信託であれば確実に利益が期待できるというものではありません。

 

3. 海外にも簡単に投資できる

投資信託には実に様々な商品があります。日本株はもちろんですが、米国の株式市場や新興国市場に投資しているものも数多くあります。

これらの銘柄を活用することで、なかなか投資することができない、海外の会社や地域にも簡単に投資することができます。

個人で海外の企業の株を買おうと思ったら煩雑な手続きをしなければならない上に、言語の問題もあります。日本から簡単に世界中に投資ができるのは、投資信託の大きなメリットです。

 

投資信託の3つのデメリットとは

① 損をするかもしれない

当然のことですが、大きなリターンが得られる可能性もある投資信託は、元本保証でもないため、損をする(資産を減らす)可能性があります。

1,000万円が1,300万円になることもあれば700万円になってしまうこともあるのです。

リスクとリターンは必ずセット(トレードオフ)です。利益を得るには、それ相応のリスクが伴います。

 

余談ですが、「元本保証で年間利回り30%!」のようにうたっている商品はあり得ないので注意してください。ほぼ間違いなく怪しい(詐欺)だと思って問題ありません。

「月5%の配当がつくから出資して下さい。元本は保証されています」みたいな話を耳にすることがありますが、まず間違いなく詐欺です。騙されないように、注意しましょう。

 

② 数が多すぎて選べない

投資信託には、非常に多くの商品がありその数は6,000本以上にもなります。どれでも自由に売買することができますが、当然中には利益につながるものもあれば、損をするものもあります。

数ある商品の中から、きちんと質の良い運用をしている優良なものを探し出さなければなりません。

 

また、金融庁のデータによると、全体の1/3はマイナスのリターン、市場の成長率と比較して、優良と呼べるものは、全体の1%未満とも言われています。

10 年以上存 続している日本の株式アクティブ型投信281本の過去10年間の平均リターンは信託報酬 控除後で年率 1.4%であり、全体の約三分の一が信託報酬控除後のリターンがマイナス となっていました。ちなみに、この 10 年間で日経平均株価は年率約3%上昇しており、イ ンデックス投信が一般的にアクティブ型投信に比べリターンが高いとのマルキールとエリ スの主張は、日本株投信についても当てはまるように思えます。
〜(中略)〜
この結果、積立 NISA の対象となりうる投信は、インデックス投信とアクティブ型投信あ わせて約 50 本と、公募株式投信 5406 本の1%以下となりました。

これだけ数が少ないものを、自力で探し出さなければいけないのです。

 

③ 実は運用・販売会社が無責任

銘柄選びの際に、銀行や証券会社の窓口に相談に行く人がいます。自分で選ぶのが大変でも、「お金のプロ」が親身になってあなたの相談に乗ってくれると考えている人もいるかもしれません。

でも、実はこれが一番ダメな方法なのです。

 

なぜかと言うと、彼らは実は非常に無責任なのです。

銀行の販売員の人は投資信託の運用成績に責任を負っていません。

彼らの収入源は、「購入時手数料」と「信託報酬」と呼ばれるもので、これらは投資信託を購入した際と、預かってる資産額に対して発生します。

つまり、投資信託の運用成績が良くても悪くても彼らの利益には何の関係もないのです。

 

そのため、彼らは、「運用利回りが良いのもの」ではなくて、「購入時手数料が高いもの」や「売りやすい(分かりやすい)商品」をおすすめしてきます。

もっと言えば、ほったらかしでもどんどん儲かる(資産が増える)ようなものではなく、定期的に買い替えをしなければならないような、よくも悪くもない銘柄を提案してくるかもしれません。 ※これを「回転売買」と言います。

 

銀行や証券会社に勤めている人を安易に信頼してはいけません。投資信託は、必ず自分自身の力で選ばなければならないのです。

 

定期預金と投資信託の金利や利回りはどっちがいいの?

定期預金と投資信託についてまとめると以下のようになります。

【定期預金】

  • 元本保証だが、金利が小さい
  • インフレや物価上昇に弱く、資産運用という意味では不向き
  • ペイオフ(1,000万円までしか保証されない)のリスクもある

 

【投資信託】

  • 大きく利益がでることも、損失を被ることもある
  • 様々なものに投資できる選択肢の多さがある
  • しかし、数少ない優良なものを選ぶのは困難(銀行や証券会社も頼りにならない)

 

ここで、どちらを選ぶかの決め手は「元本が保証されなきゃダメか、保証されなくてもいいか」という点です。

元本保証ではなくてもよいならば、投資信託を選んでみてもいいかもしれません。きちんとリスクをとって運用することで、将来に備えた資産形成をすることも可能になります。

 

今回は、初心者が比較的入りやすい「定期預金」と「投資信託」を取り上げましたが、資産運用の方法は年々多様化しており、近年では「ヘッジファンド」のように、(ある程度の資産は必要になりますが)、質の高い資産運用のサービスを提供するものも増えてきました。

ぜひ様々な投資先を検討し、自身に合ったものを選択するようにしましょう。

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