純資産が1億円以上あると、日本では「富裕層」と呼ばれるようになります。

 

ここで言う「純資産」というのは、保有する資産の合計から負債を引いたもののことです。

例えば、7,000万円のマンションと3,000万円の投資信託と1,000万円の現金で、資産として1億円を持っていたとしても、銀行から6,000万円の借り入れている(ローンを組んでいる)のであれば、この人の純資産は4,000万円ということになります。

 

借りている分をしっかり差し引いて、純粋な意味で資産として残る金額が1億円以上ある人ということです。

さらにこの純資産が10億円以上になってくると、「超富裕層」と呼ばれる類いの人々になります。

 

こういった"超"がつく富裕層は、自分で投資信託を買ったり株を買ったりして資産を運用することは、ほとんどありません。

代わりに、ヘッジファンドのような運用のプロに任せるか、もしくはプライベート・バンカーと呼ばれる資産運用のアドバイザーを活用しています。

 

億を超える純資産を持つ彼らは、なぜ自ら資産の運用をせず、「投資のプロ」に資産運用を任せるのでしょうか。その理由を考えてみましょう。

 

超富裕層が運用をプロに頼む4つの理由

資産運用の難しさを理解しているため

自ら財を成した(事業を成長させたような)富裕層は、資産運用が決して簡単では無いことをきちんと理解しています。

自分で、ビジネスを興し、成功させ、大きな資産を築いた優秀な彼らこそ、運用こそ投資のプロである金融の専門家に任せるべきものであり、自らの手で簡単にできることではないと理解しているのです。

何かしらの事業で成功するほどの人間であれば、「自分で投資をしても対して儲からないだろう」ということがすぐに分かるのです。

 

結果、彼らは一定の手数料を支払ってでも、ヘッジファンドやプライベートバンカー(PB)を利用します。

ヘッジファンドやプライベートバンカーの起用にはコストが発生するので、「手数料」だけをみれば悪手のようですが、彼らはこの手数料は、受けられるサービスを考えれば充分に妥当だと判断するのです。

 

一方で、そこまでの成功を修めていないような、"自称"優秀な人ほど「賢い自分なら投資も自分でできるはずだ」と、自身を課題評価して、自らの手で投資を実践しようとします。

投資一本で食べていく(生計を立てる)ほどに心血を注げば、あるいは成功できるかもしれませんが、ほとんどの人は、本職を兼ねての副業投資家でしょう。

その程度の時間や労力の割き方では、よほどの天才でもない限り、投資で成果をあげることはできないでしょう。

 

餅は餅屋、資産運用は投資のプロに任せるのが一番です。

ある世界で成功を修めている、一流の彼らだからこそ、自分自身がどの分野に注力するべきなのかを理解できるのでしょう。

 

資産管理会社やプライベートバンカーごと資産を引き継いでいるため

一方、「自分で何かを成し遂げた経験のない富裕層」は、必ずしも資産運用の難しさを理解することができているとは限りません。

 

しかし、とはいえこういった資産を「相続しているタイプ」の富裕層は、資産を引き継ぐと同時に、資産管理会社やヘッジファンドやプライベートバンカーといった資産管理のプロも引き継いでいるのが一般的です。

結果としては、自ら財を成した親世代からお世話になった投資のプロに、その後もお世話になることになります。

こうして、いずれにせよ富裕層の周りには投資のプロが存在することになるのです。

 

「投資のプロ」との繋がりに利回り以上の価値があるため

また、こうした富裕層は、投資のプロが1人身近にいることで、様々な相談が可能であることに価値を感じています。

 

例えば、ヘッジファンドに出資していれば、株や債券に限らず世の中の様々な金融事情について相談することが可能でしょう。

仮想通貨についてどう思うか、日米の中長期的な為替の動向についてどう考えているか。

こういった質問に対する信頼するファンドマネージャーの意見を、本業のビジネスに役立てるという場合もよくあります。

金融や世界経済の動向に関しての鋭い洞察力をもった人が周りにいるというのは、非常に大きな価値があるのです。

 

また、「プライベートバンカー」と呼ばれる人達のサービスは、さらに多岐に渡ります。

彼らは遺産相続の際のスキーム検討や、事業を誰に継がせるのか、子供の教育をどうすれば良いか、おすすめの高級レストランはないかと言ったプライベートな問題にまで事細やかに対応するのです。

 

こうなってくると、彼らの業務の中で資産運用というのはその中の一部という見方すらできるようになります。

超富裕層というのは、プロと呼ばれる人間からの様々な「アドバイス」に対して、お金を払っているのです。

 

「意識のポートフォリオ」というものを大切にするため

最後に、これは直接的にお金に関することではありませんが、富裕層というのは「意識のポートフォリオ」というものに非常に注意を払うといいます。

 

「意識のポートフォリオ」とは、自分の脳が抱える様々な問題に対する、意識の向け方の割合です。

本業のビジネスをどうするかに60%、妻との関係性に10%、子供の教育に10%、自分の趣味に8%... というように、どんな人でも感心というものを割合として示すことができます。

 

そして、自ら財を成した富裕層は、この意識のポートフォリオを「なるべくシンプルにしたがる」傾向があるそうです。

つまり、本業を50%、家族30%、趣味20%、といったような3つくらいで構成された分かりやすい意識配分になると満足するけども、これが本業14%、妻との関係8%、自分の資産の運用9%、政治動向7%、子供の教育3%... と分散されていくと、非常にストレスを感じるのだそうです。

 

つまり、彼らが投資のプロに運用を任せる大きな理由の一つに、「運用のことは全部誰かに任せてしまい、自分は別のことに集中する」というものがあるのです。

それは本業のビジネスかもしれませんし、子育てなど、家庭のことかもしれません。

 

そのためにも、ヘッジファンドやプライベートバンカーを活用し、自身が心血を注ぐ必要のないものは他者を活用するのです。

 

まとめ

なぜ富裕層が、ヘッジファンドやプライベートバンカーのような外部の専門家に資産運用を任せる(アウトソースする)のかということについて解説してきました。

億を超えるような資産がなくても、1,000万円単位での資産運用を検討するような人であれば、こういった「成功しているお金持ち」の考え方は大いに参考になるでしょう。

真の富裕層の考え方を是非取り入れてみてはいかがでしょうか。

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