ここ数年、投資信託で運用をされていたという方は大なり小なり利益を上げた方が多いのではないでしょうか。

2013年のアベノミクス以降、日本の株式市場は堅調に推移していますし、景気の良い話も多く、総じて相場が有利に働いているためです。

 

ですが、この日本株式市場の好景気は今後もこのままずっと続くのでしょうか?

結論から言えば、今後の見通しはやや不安であると言わざるを得ません。

「投資信託でせっかく利益を上げていたのに...」
「株価が暴落して大損してしまった」
「あの時売っておけば...」

こんな未来にしないためにも、大損する前にどうするべきか考えていく必要があります。

 

投資信託で大損はあり得るのか

投資信託は元本保証ではない

大前提の話ですが、稀に誤解している方がいらっしゃるので念のために言っておきます。

投資信託は元本保証ではありません。

銀行等の営業員の中には「預金に近い感覚で運用を始められますよ」といった、とんでもない勧誘を行う人もいますが、断じてそんなことはありません。

 

組入れている銘柄が下落すれば当然基準価格も下落しますし、株が暴落すればもちろん投資信託も暴落します。改めて、投資信託が暴落して大損する可能性がある商品だということを再認識しておきましょう。

 

投資信託は投資のプロが運用していない

そして、もう一つ大事な点があります。

投資信託は投資のプロが運用しているわけではありません。

「そんなはずはない。プロにお任せ出来るのが投資信託だと聞いたよ。」と仰る方もいるかもしれません。

確かに、投資信託を通じて、運用会社(のトレーダー)に資産を預けることになります。

でも、冷静に考えてみて下さい。

「プロ」というのはその専門分野で生計を立てている人のことを言います。サッカー選手であればサッカーが上手いからお金をもらえるのであり、ミュージシャンであれば楽曲や歌が素晴らしいからお金がもらえますよね。

 

では、投資信託を運用している人はどうでしょうか。

彼ら(トレーダー)は会社員であり会社から給与をもらって生活しています。投資信託の運用が上手いから給与をもらっている訳ではないのです。

給与をもらっている会社の中で、たまたま今、投資信託の運用という役割を任されているに過ぎません。

 

社会人になりたての若手が担当していることもありますし、今まで全然違う部署にいた人が担当していることもあります。

それなのに窓口では、「金融のプロが運用していますから!」と営業してくるわけです。

その辺の裏事情にあまり詳しくない人は、「投資銀行で運用を担当している人=投資のプロ」と勘違いしてしまいがちですが、あくまでも会社員が担当していることも再認識しなければいけません。

 

投資信託を今手放した方が良い3つの理由

では、今後私たちはどうすべきなのでしょうか。

現在保有している投資信託が利益をあげているならば、すぐに売却してしまっても良いです。それにはきちんと理由があります。

 

投資信託は結局マーケットの動きに大いに影響される

投資信託はなんだかんだ言ってもマーケット全体の動きに大きく影響されてしまいます。株式市場全体が上り調子なら投資信託の基準価格も上昇しますし、下落基調なら下落します。

 

一般に証券会社で取り扱われている投資信託の多くは、市場の動きに左右されます。

ひふみ投信のように、一部の投資信託は、独自の手法(独自の目線で選別した小型のグロース株への投資)で運用する「独立系」の投資信託は、市場の動きにあまり左右されないと言われています。

オレンジ色の線がひふみ投信の成績で、赤い線が日経平均の動きです。過去3年で見ると、年率のリターンは次のようになっています。

  • ひふみ投信:16.26%
  • 日経平均:6.57%

ひふみ投信の、日経平均の約2.5倍ものリターンを残しています。

出典:モーニングスター
https://www.morningstar.co.jp/

しかし、最近のひふみ投信は資産規模が大きくなりすぎており(マザーファンドは約8,000億円)、他の投資信託と同様に、日経平均に連動するような値動きとなってしまっています。

特に、直近1年間のパフォーマンスを比べると

  • ひふみ投信:16.21%
  • 日経平均:16.38%

と、以下のグラフからもわかるように、かなり近いものになってしまっています。

出典:モーニングスター
https://www.morningstar.co.jp/

 

これは、ファンドの規模(純資産総額)が大きくなりすぎたために、結局は、日経平均を構成するような大型株にも投資せざるを得なくなったためです。

このように、独立系の投資信託でさえ、最終的には市場の動きに連動してしまうのが投資信託です。証券会社で取り扱われているような人気の銘柄については、その傾向はさらに高いことが予測されます。

 

日本の株式市場は現在高い水準にある

投資信託が株式市場全体の動きに連動してしまうことは分かりました。

では、これからの日本の株式市場はどうなっていくのでしょうか。

 

これは、非常に難しい話です。今後、日本の株式市場が上昇するか下落するか、今後の市場を正確に予測できる人はまずいません。

ですが、ここ10年の日経平均の動きを見てみて下さい。

出典:みんなの株式 - 株式投資の総合サイト・株価予想・ニュース・SNS
https://minkabu.jp/

 

リーマンショック後というのもありますが、ここ10年で約3倍にまで成長していることが分かります。

これから日経平均が上がるか下がるか正確な事は分かりませんが、今現在の株価が、非常に高い水準にある(割高である)ということは事実として言えそうです。

つまり、「暴落する余地が十分にある」という危険性があります。

それがいつなのか、どの程度なのかまではわかりませんし、もしかしたらまだ先のことかもしれません。ですが、いつ爆発するかわからない風船のようになっていることは肝に命じておきましょう。

 

今後の投資先は何が良い?

投資信託での資産運用に限界が近いことがわかりました。ですが、だからといって運用をしてきた人がそれを止めるわけにはいきません。資産運用は継続することが重要なのです。

 

投資信託を売却・利確した資金は、何で運用するのがよいのでしょうか。

やはり市場との関連性が低い運用方法がおすすめです。

例えば、非上場企業(未公開株)に投資するTortoise Partners(トータスパートナーズ)のようなファンドもありますし、新興国に投資する、Frontier Capital(フロンティアキャピタル)のようなファンドもあります。

 

どちらも昨今注目が高まっているヘッジファンドです。

投資信託のような公募ではないため、公開されている情報は少ないかもしれませんが、だからこそ日経平均などに左右されない独立したリターンが期待できます。是非様々な投資先を検討し、今後も安定した運用ができることを期待しています。

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