総合評価
松井証券は、とにかく初心者に優しい証券会社と言えるでしょう。
取扱商品なども多くはありませんが、"限られている"のではなく"絞られている"と捉えることができます。
また、手数料設定もわかりやすく、約定ごとの手数料はなく、1日の約定金額に応じた手数料しかありません。それも10万円以下であれば無料のため、少額しか取引しない人や、少しずついろいろな取引を試したい初心者にとってはまさにうってつけと言えるでしょう。
セミナーなども充実している上に、松井証券の公式ページには、初心者に向けた投資の情報が整理されてまとめられています。
出典:はじめての投資 | 松井証券
https://www.matsui.co.jp/study/?mnu=hd
キャッチコピーが「オンライントレードはじめるなら 松井証券」となっているだけあり、初心者への心遣いがいたるところに見てとれます。
もちろん初心者だけでなく、投資を積極的に行っている人(上級者)にとっても松井証券は有効に活用することができます。
ネット証券で取引をする人は、複数の証券会社を活用するのが一般的です。証券会社によって、強みや得意としているポイントが異なるため、用途に応じて使い分けるのです。
その際に松井証券は、使い勝手の良いネット証券の一つとしてよく活用されています。
多額の取引をし、たくさんの銘柄を保有しているような人も、いきなり高額の取引をするわけではありません。まずは少額を保有し、そこで株主として情報収集やリサーチをしてから、本格的な投資に踏み切るかの判断をします。
そういった場合の、とりあえずの少額取引に松井証券は最適です。何しろ1日10万円以下であれば手数料がかかりません。
また、口座を持っているだけで、セミナーなどの様々なサービスを活用することもできます。
松井証券は初心者から上級者まで、とりあえず口座を開設して損はない証券会社です。
松井証券の概要
取扱商品
松井証券では、株式の現物取引/信用取引、投資信託・MMF、先物・オプション取引、ETF/REITの取引ができます。また、一部の銘柄については、単元未満株や
松井証券が取り扱っている現物取引の「取扱商品」及び「取扱市場」は以下の通りです。外国株式の取扱はありません。
取扱商品
- 上場株式
- ETF(上場投資信託)
- REIT(不動産投資信託)
- インフラファンド
- ベンチャーファンド
- ETN(上場投資証券)
取扱市場
- 東京証券取引所(1部、2部、マザーズ、JASDAQ)
- 名古屋証券取引所(1部、2部、セントレックス)
- 福岡証券取引所(単独上場銘柄のみ、Q-Board含む)
- 札幌証券取引所(単独上場銘柄のみ、アンビシャス含む)
手数料
手数料は1日の約定金額に応じた設定となっており、約定ごとの手数料設定はありません。
10万円までの手数料は無料ですが、その後は以下の表の通りです。また、口座開設から半年間(6ヶ月)は約定金額30万円までの手数料も無料になります。
現物/信用取引の売買手数料(1日毎)
約定金額 | 10万円 | 30万円 | 50万円 | 100万円 | 200万円 | 1億円以上 |
手数料 | 無料 | 300円 | 500円 | 1,000円 | 2,000円 | 100,000円 |
※100万円以上は、100万円ごとに1,000加算され、上限は1億円以上取引した場合の100,000円
その他サービス
セミナーや、情報配信など、独自のコンテンツを用意しているネット証券は少なくありません。
松井証券も例に漏れず独自のセミナーや、動画配信などのサービスを行っていますが、その中でも特筆すべきは、松井証券には24時間対応しているコールセンターがあるという点でしょう。
人件費の削減といったコストカットによって、低価格化を実現しているネット証券業界において、コールセンターというサービスは、なかなか他社がマネできるものではありません。
初心者の場合、わからないことをネットで調べようと思っても、そもそもどうやって調べたらよいのかわからないことが少なくありません。詳しい人(有識者)に相談しようにも、"投資"の相談をできる友人・知人は選ばなければいけません。
そんな時、コールセンターは非常に役に立ちます。創業100年(1918年創業)を迎える老舗証券会社ならではの手厚いサポートといえます。
また、「J-Market(SBIジャパンネクスト証券株式会社が運営するPTS市場(※))」によって、夜間取引(17:00~23:59)も可能です。※PTS市場:私設の取引システム
これも、日中会社勤めのあるサラリーマンにとっては非常にありがたいサービスです。
松井証券の注意事項
松井証券では、先物取引や信用取引を行うことができます。
もちろん他のネット証券でも同様な取引をすることができますが、「初心者に優しい」ことがウリの松井証券では、この先物取引・信用取引にも気軽に手が出せてしまうような工夫がされています。
例えば、一日先物取引では、少額証拠金制度の適用により、通常の約半分の証拠金で取引が可能になります。つまり、簡単に2倍のレバレッジをかけた取引ができてしまうのです。
レバレッジをかけると、安易に高額取引ができてしまう一方で、簡単に大きな損失を被ってしまうかもしれないというリスクも大きくなります(レバレッジをかけた取引が全て良くないというわけではありません)。
特に初心者の場合、様々な取引がどのようなメリット/デメリットを持っているかきちんと理解できていない場合もあるため、特殊な取引をする場合には十分注意が必要です。