鎌倉投信とは

鎌倉投信とは、2008年に創業された、いわゆる独立系(直販型)の投資信託です。現在は、2010年11月に設定した「結い2101」という投資信託のみを販売し、出資者(個人投資家)から集めた資金を元に投資・運用しています。

 

ひふみ投信などの独立系(直販型)投資信託が人気を集めているのに伴い、鎌倉投信もまた注目を集めています。

興味があり、出資を検討している方も多いようなので、今回はこの「鎌倉投信(結衣2101)」について徹底的に考察していきたいと思います。

 

鎌倉投信の特徴

投資信託である「結い2101」をみる前に、まずは鎌倉投信そのものについて確認してみましょう。

同社のホームページによると、鎌倉投信は3つの「わ(和・話・輪)」を信条としているようです。

出典:鎌倉投信について | 鎌倉投信 https://www.kamakuraim.jp/about/

また、ホームページによると以下のようにも書かれています。

・これからの社会を創る「いい会社」が、投資家から安心して資金を調達することができる仕組みとしての投資信託
・個人投資家の皆様から運用者の顔が見え、その志や投資哲学を感じることができる投資信託
・個人投資家の皆様から投資先の会社の活動が見え、自分のお金が社会の発展に貢献していることを実感することができる投資信託
・投資家と運用者はもとより、投資家と投資家、投資家と投資先の会社が価値観と信頼で結ばれる投資信託

 

運用の中で、同社がキーワードとしているのが「いい会社」です。この「いい会社」に投資することで、長期間での安定した運用を図ると共に、金銭的なメリット(投資利益)だけでなく、社会の発展に寄与することを重要視していることがわかります。

 

また、投資家と価値観を共有し、直接話をする「場」を提供することも重要視しているようです。実際、同社の説明会だけでなく、資産運用の基礎的な勉強会のようなものも度々開催しており、直接投資家の前に出て話をすること、出資者とコミュニケーションの場を持つことを重要視しているようにも見えます。

 

投資家に向き合う姿勢は素晴らしいと思いますが、実際の「運用(投資)」の方はどうなっているのでしょうか?次に、同社がキーワードとしている「いい会社」について見ていきましょう。

 

結い2101が重視する「いい会社」とは

鎌倉投信は「いい会社」に投資することで、長期的な資産形成のみならず、社会の持続的な発展に寄与することを重要視しています。

ですが、この「いい会社」とは一体何を指しているのでしょうか?

同社の販売する投資信託「結い2101」の投資信託説明書(交付目論見書)から詳細を紐解いていきたいと思います。

 

「結い2101」の概要

  • 商品名:結い2101
  • 商品分類:追加型/内外/株式
  • 投資対象地域:グローバル
  • 為替ヘッジ:なし
  • 信託期間:2010年3月29日〜(無期限)
  • 信託金の限度額: 5,000億円
  • 購入時手数料:なし
  • 信託財産留保額:なし
  • 運用管理費用(信託報酬):年1.0800%(税抜 1.00%)
  • 委託会社:鎌倉投信株式会社

 

運用コンセプトは「人・共生・匠」

結論から申し上げると、結い2101の運用方針(投資戦略)はいずれも抽象的で、具体的なことがわかりません。「なんとな〜く、雰囲気の良さそうな企業に投資していそうだな」と感じることはできますが、

  • それらの企業をどのようにして選定しているのか
  • それらの企業に投資すると、なぜ儲かる(利益を得られる)のか

については、明確に示されていません。

 

結い2101の投資哲学には、【投資は「まごころ」であり、金融とは「まごころの循環」である。】とあります。また、運用の基本理念は「これからの日本に必要とされる企業に資金を投じる」とされています。

いずれも、悪いことは言ってなさそうですが、抽象的で、具体的なことは一切わかりません。

 

将来性の高い企業や、伝統ある企業に支援・援助をしたいのであれば話は別ですが、投資信託という金融商品を求める人は"自身の"資産を増やしたいのです。寄付や応援が第一の目的ではありません。

これらの投資哲学・基本理念が、どのようにして投資家の利益に繋がるのか、明確な根拠をきちんと示してほしいところです。

 

運用コンセプトには「人・共生・匠」というテーマを掲げています。

出典:結い2101 投資信託説明書(交付目論見書) 2018.4.20
http://pskimst04.blob.core.windows.net/wpmedia/yui2101_koufu.pdf

 

結い2101によると、

  • 人:人財を活かせる企業
  • 共生:循環型社会を創る企業
  • 匠:日本の匠な技術・企業文化・感動サービスを世界に発信できる企業

とのことですが、投資哲学・基本理念同様に、これらの企業に投資することで、私たち投資家がリターン(利益)を得られる根拠がわかりません。

仮に、これらの企業に投資することが利益に繋がるとして、これらのコンセプトに合致する企業はどのように選定するのでしょうか?客観的に判別できる基準も乏しく、運用担当者(ファンドマネージャ)の感性で投資されたのではたまったものではありません。

 

結い2101の運用実績

投資の内容についてはよくわかりませんでしたが、肝心のパフォーマンス(運用実績)はどうなっているのでしょうか。

感覚的な運用であれ、実績が伴っているのであれば問題ありません。結い2101のこれまでの運用実績を確認してみましょう。

 

これは結い2101の、過去5年間の基準価格の推移と日経平均株価の推移を比較したものです。結い2101のパフォーマンスだけを見ると、堅調に右肩上がりな推移を見せているようにも見えますが、日経平均株価はそれ以上に大きく値を上げていることがわかります。

つまり、鎌倉投信の運用する「結い2101」は、市場の成長以下のパフォーマンス(実績)しか残せていないのです。 お世辞にも運用が上手くいっているとは言えません。

 

まとめ ー 鎌倉投信に投資する価値はあるか

鎌倉投信、結い2101についてまとめると以下のようになります。

  • 「いい会社」に投資することで、投資家の利益と社会発展の両方に貢献することを重視
  • ただし、投資先企業の選定について具体的なことは不明
  • 運用実績も日経平均以下

 

説明会などを数多く開催し投資家を直接口説いているところや、目論見書でも専門的な話をせずに感覚や感情に訴えるような内容になっていること。また、手数料が一般的な投資信託と比較しても割安なところなど、投資にあまり詳しくない初心者にとっては一見すると魅力的に映るかもしれません。

しかし、肝心の私たち投資家の利益(リターン)についての言及が少なすぎると感じました。実際にパフォーマンスも良いとは言えません。

 

リターンばかりを追求すると銭ゲバのように感じる人もいるかもしれませんが、資産運用は慈善事業ではありません。

 

もちろん、社会的に意義のある企業に投資することがリターンに繋がることもありますし、目先の利益だけを追求しすぎると長続きしないこともあるでしょう。ですが、”リターン”という本来の目的を見失い、本末転倒になってはいけないのです。

 

投資信託である以上、利益の出ないもの、投資家自身の資産が増えないものに出資したいと考える人はいないはずです。本気で資産形成を考えている人にとって、おすすめできる投資信託ではないかもしれません。

 

投資信託の真髄では、これ以外にも様々なファンド(投資信託)の分析・評価をしています。その中から厳選したおすすめファンドもまとめているので興味のある人はぜひ参考にしてみてください。

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