ヘッジファンドと聞くと一部の富裕層のみが投資できる投資商品というイメージがありますが、ヘッジファンドというのは投資信託と具体的に何が違うのでしょうか。

 

今回はヘッジファンドと投資信託の違いを整理していきます。

 

ヘッジファンドは絶対収益を追求する

一番大きな違いは、ここでしょう。ヘッジファンドというのは「絶対収益」を追求します。

この絶対収益というのは何かと言うと、市場の動向に左右されずいかなる状況でも収益をあげる、というものです。

投資信託の場合は、インデックスファンドやアクティブファンドなど色々と種類はあるものの、結局特定の状況下において一定の収益を目指しますというスタンスとなっているので、ヘッジファンドとは明確に違います。

 

 

そもそも、ヘッジファンドというのは1949年にアルフレッド・ジョーンズという人間により発明されたと言われており、彼は富裕層の資産を独自の手法で運用しました。

投資家の多くは、「手法は問わないので、とにかく金融の危機だろうが何だろうが乗り切れるような、優れた投資をお願いしたい」という形で彼に資産を預け入れていたのです。

ジョーンズは、信用取引(ショートポジション)、成果報酬制度、運用者自身の出資、といったそれまでの常識を破る様々な仕組みを取り入れ、いかなる市況であっても高い収益をあげることを目指し、実際にそれを成し遂げます。

彼の取り組みが世に知られた瞬間に、数百のヘッジファンドが生まれたのです。

 

現在のヘッジファンドも、このアルフレッド・ジョーンズの考えたシステムを踏襲しています。

「絶対収益」という理念はヘッジファンドの根幹をなすものなのです。

 

ヘッジファンドは人への投資である

絶対利益の追求こそがヘッジファンドの命題であるからこそ、ヘッジファンドというのは「人への出資」であると言えるでしょう。

投資信託は、市場への投資であったり、国への投資であったり、特定の分野への投資であったりします。つまり、投資家の「市場」に対する選球眼が試されます。

一方ヘッジファンドは、「人」に対する選球眼が試されると言えるでしょう。ファンドマネージャーがどの程度優秀な人物であるか、こそがヘッジファンドの価値そのものであると言えるのです。

 

現在では世界一の投資家として名を馳せているウォーレンバフェットも、(今は上場していますが)もとはと言えばヘッジファンドの一種でした。

彼のファンドの平均利回りは、22%。バフェットはこの数字を37年間に渡って継続しました。

バフェットのような優秀なファンドマネージャーに巡り会い初期に投資することを決断できたなら、非常に高い利回りを享受することが出来るのです。

バフェットの投資戦略はベンジャミングレアムの提唱したバリュー投資に、独自の理論を付け加えたものです。そして、ファンドの規模に応じて戦略を変化させています。

出資者は、「バリュー投資だから良い」と思ったのではなくバフェットが優秀だと思ったので彼に預け入れたのでしょう。ヘッジファンドへの投資に当たっては、このような、「人に賭ける」勇気が必要です。

なお、37年前のバフェットに100万円を預け入れていたら、現在それは18億円になっています。複利での運用というのはここまで大きな成果をもたらすのです。

 

ヘッジファンドは私募である

投資信託が公募ファンドであるのに対し、ヘッジファンドというのは私募ファンドです。つまり、証券会社や銀行経由でヘッジファンドを買うことは出来ません。

ヘッジファンドへ投資するには、直接ヘッジファンドの社員に連絡をし、面談をした上で直接契約を結ぶ必要があります。これは投資信託との大きな違いです。

 

外資系の投資銀行と言った一部の金融エリートが大企業から独立してヘッジファンドを始めることが多いので、一部の金融関係者の間では情報が出回っています。

しかし証券会社で勧められるわけでもなく広告が出ているわけでもないので、なかなか一般人はヘッジファンドにアクセスすることが出来ないのです。

皆さんも、日本の有名なヘッジファンドと言われてもパっと名前は出て来ないのではないでしょうか。

 

ヘッジファンドが私募という形態をとっているのは、そもそも顧客をむやみに増やす意図がないことに加え、公募化する(投資信託化する)と、運用の自由度が下がってしまう為です。

例えばショートといって株価が下がることに賭けることは出来なくなりますし、成果報酬というシステムも取り入れられません。

また、ポートフォリオ(ファンド自体の組み入れ銘柄)の公開義務も発生します。このあたりの不要な義務を避けてこっそりと利益を追求したいので、彼らは私募ファンドとして運用するのです。

 

投資金額のハードルが高い

投資信託が1,000円程度から投資可能なのに対し、ヘッジファンドは低くて500万円、高くて数千万円という最低投資金額を設定しています。

そして、資金の引き出しも投資信託ほど柔軟性はなく、短くても3ヶ月毎、長いと2年毎に引き出しタイミングが来るというようなシステムとなっています。

ある程度の金額を一気に預け、基本的には長期で投資する姿勢でどっしりと構えるのがヘッジファンドへの投資です。

 

成果報酬制度を導入している

通常、投資信託は「購入時手数料」という購入時にかかる手数料と、「信託報酬」という毎年かかる手数料を設定しています。これらは、投資の成績に関係なく、投資金額に対して一定の料率で発生するものです。(額面の数パーセント)

 

一方で、ヘッジファンドというのはこれらに加えて「成果報酬」という制度を取り入れています。これは、運用で勝ったらそのうちの何パーセントは会社が報酬として頂きます、というものです。

一般的に、ヘッジファンドというのは私募でしか資金を集めない分、投資信託と比べて資金プールが小さくなります。なので、この成果報酬というのを主な収益源にするのです。

 

運用で成果が上がらないとお客さんが減るのみならず報酬も一気に減りますので、ヘッジファンドにとって投資の利回りというのは非常に大事なものなのです。

 

ヘッジファンドの社員は、大抵がファンドの出資者でもある

ヘッジファンドで働く社員というのはファンドマネージャーも含めほぼ全員がそのファンドの出資者となっています。そのため、利回りがマイナスになれば自分たちのお金も減ることになります。

これは投資信託との大きな違いです。

投資信託というのは、その販売に関わっている人(証券会社や銀行の営業員)も、それをつくっている人(アセットマネジメント会社の写真)も、そしてファンドマネージャーでさえもその投資信託で自分自身のお金を運用していることはないからです。

その意味で、ヘッジファンドの社員と投資家とは、目線が完全に一致していると言って良いでしょう。

 

まとめ

ヘッジファンドと投資信託の違いを、表にしました。

参考にしてみて下さい。

 

【投資信託】 【ヘッジファンド】
理念:  相対収益  絶対収益
何への投資か:  市場  人
募集方法:  公募  私募
最低投資金額:  1,000円程度  500万円から数千万円程度
 手数料:  購入時手数料、信託報酬、他 購入時手数料、信託報酬、成果報酬
 関係者が実際に出資しているか:  販売員、ファンドマネージャーは投資信託には投資していない  販売員、ファンドマネージャーなどが自らファンドに投資している

 

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