投資信託やETFを通じて、アメリカの株式に投資している人が非常に多いようです。

ですが、米国株に潜む重大なリスクに気付いている人はどれだけいるでしょうか?

今回は米国株の「危険性」について論じていきたいと思います。

 

日本の人気投資信託は米国株に偏重している

売れ筋上位の投資信託は、ここ数年、かなり米国株に偏重していると言って良いでしょう。

ダウとの連動を目指すインデックスファンドはもちろんのこと、「全世界型株式」のような世界中に投資しているような名前の投信でさえ、そのほとんどをアメリカの株式に集中投下しているのが実態です。

 

例えば直近の人気ランキングトップ3は以下のようになっていますが、アメリカ株の占める割合はいずれも50%以上です。

  1. 楽天・全世界株式インデックス・ファンド ⇒ 52%が米国株
  2. ニッセイ外国株式インデックスファンド  ⇒ 68%が米国株
  3. 楽天・全米株式インデックス・ファンド  ⇒ 100%が米国株

 

全世界の株式市場に対するアメリカの株式市場の割合を考えれば仕方のないことですが、多くの日本人投資家が投資信託を通じてアメリカ経済(株式市場)とある意味で運命共同体になっているのです。

 

米国株は2010年から2018年にかけて絶好調だった

米国株の人気が高い理由は、もちろん直近の値動きが好調だったからに他なりません。

以下は米国株(S&P)の値動きを1998年から2018年まで切り取ったものですが、2010年以降、非常に順調に推移しているのが分かります。

参考:sp500 index - Google 検索

 

2010年から2018年までの米国株の平均利回りは、なんと9.8%です。リーマンショック以降、アメリカの株式市場は空前の好景気に湧きました。アメリカ政府この景気拡大期間を、公的には2009年の6月からだとしています。

 

つまり、2018年の9月現在ですでに200ヶ月以上も好景気を維持しているのです。

これはアメリカの歴史上でも相当長い方で、これまでの最長の景気拡大期間が1991年から2001年の120ヶ月であることを考えると、史上最長のレベルに到達しているということがわかります。

このアメリカの長期間に及ぶ好景気の過程で、米国に投資する金融商品がたくさん生まれたのです。

 

米国株が抱える暴落リスク

しかし、残念なことに、どんな好景気にも終わりは訪れます。2018年に入ってからは、各銀行や金融関係者はこれまでほど楽観的にアメリカ市場を見てはいません。

 

長期金利の上昇や米中関係の動向、そして北朝鮮リスクなど懸念材料が次々と出てきたことで、2018年に入り株式市場が乱高下する展開となっています。さらに踏み込んで実態経済を注視すると、新車の販売台数や新築の販売件数などに陰りが見えてきているという事実もあります。

 

専門的な言い方をすれば様々な見解があり株式市場全体における諸々のリスクが高まっているわけですが、これは非常に長期の目線で見れば異常事態というわけでもありません。

そもそも株式市場というのは単調に増加をしていくというわけではなく、ある程度の時間をかけて上昇した後に、調整局面に入り(暴落して)、また上昇して、という大きな流れを繰り返しているのです。

 

アメリカのこれまでの株式市場の推移を、さらに引き延ばして100年以上単位で見てみましょう。以下は、1902年から2018年までの米国株式市場の推移です。

参考:国内株価指数の超長期100年チャート 日本国の株価はどのように推移してきたか? | 経済&マネー
https://kapok.mydns.jp/business/nikkei225-historical-chart/

 

赤い丸印をつけた部分は、瞬間的に20%以上の株価下落が発生した「暴落」ポイントです。

10年から15年に一度大きな暴落をしつつ、全体としては緩やかな右肩上がりになっていることがこのグラフからわかります。この「所々暴落(調整局面)を挟みつつ、じわじわと成長してきた」のがアメリカ株式市場の歴史なのです。

2018年から2019年に入る今、この調整局面(暴落)がまた訪れる可能性は十分に考えられます。「いつ」と明言するのは難しいですが、少なくとも向こう10年に渡って、安心な成長市場とは言い切れません。

 

今からアメリカへ投資するのは遅い

「"これから"投資をしたい」「今後、中長期で投資をし資産形成していきたい」と考える方にとって、アメリカに投資するのはおすすめできません。もう少し厳密に言うのであれば、"今"ではありません。

 

アメリカの経済自体は、むこう100年をならしてみれば、緩やかな右肩上がりになる可能性が高いかもしれません。ですが、2019年現在、過去200ヶ月に渡って好景気が続いたことを考えると、いつ調整局面に突入し、大暴落の被害に巻き込まれてもおかしくない状況なのです。

 

おすすめの投資先はどこか - 割安株と成長株 -

では、このような局面では、一体どんなものに投資するのが良いのでしょうか。市場が下向きになる可能性を危惧するのであれば、下落局面に強いバリュー株(特に国内)や、世界情勢をものともせず、むしろその逆行の中でこそ大きな成長を見せる新興国市場などがおすすめです。

 

「バリュー株(割安株)」は株式市場が好調な時は市場の平均値をアウトパフォームしづらいですが、下降局面では下げ幅が抑えられるため相対的に良い運用成績となる傾向があり、値崩れのリスクを最小限に抑えた運用が期待できます。

こういった、国内の手堅い割安株に集中的に投資しているファンドというのは、安定的な運用を求める人に適しているでしょう。

 

また、今後も、情勢(経済トレンド)に関係なく大きなリターンを狙いたいという方には、新興国株式もおすすめです。

リーマンショック後から2016年頃まで、新興国は世界的な好景気の波に乗れず苦戦を強いられてきました。

以下は、日経平均と代表的な新興国株式指数(MCCIエマージングマーケッツインデックス)の比較です。日経平均が赤、新興国が青です。

 

2009年から2016年までいかに新興国が厳しい状況にあったかが分かると思います。特にこの期間、アメリカを始めとする先進国の株式市場は非常に好調だったにも関わらず、です。

 

ですが、一転して、2017年頃から30%を超える大きな成長を見せるようになってきました。

その背景として、先進国と比較して、まだまだ株価が割安状態なことが考えられます。市場が飽和気味になり、株価が高騰している先進国の経済から、少しずつ新興国のような市場に資金が流れるようになってきたことが考えられます(このことからも、アメリカをはじめとした経済情勢に、限界が近いことが伺えます)

 

また、過去の実績から考えても、新興国の株価上昇サイクルは数年単位で続くため、今後まだまだ成長することが期待できます。

例えば2002年〜2007年にかけての5年間は、MSCIエマージングマーケットインデックスは年平均で28%近くも上昇し続けました。

つまり、2019年以降も、新興国株上昇トレンドは引き続き続くことが期待でき、今後さらなる収益を期待した運用をしたい人に適しているのです。

 

「人気」や「順位」で安易に投資信託を選んではいけません。

現在、米国株式偏重型のポートフォリオを組んでいる方は、「国内バリュー株+新興国株」といったポートフォリオへと舵を切るタイミングでしょう。

 

まとめ

株というのは数カ月、数年単位で動向を当てるのは難しいですが、さらに長いスパンで俯瞰的に捉えることで大きな流れを掴むことはできます。

 

市場の暴落が起きるとまるで1000年に一度の天変地異が起きたかのようにマスコミが騒ぎ立てますが、暴落は、定期的に起きるものです。別に何も不思議ではありません。それは歴史が証明しています。

 

皆さんも短絡的な情報に流されず、大局的な視点で株式市場を見てみて下さい。株式投資は、長期的な視点から捉えることで大きな成果を上げることが出来ます。

 

また、市場を自力で開拓するのが難しいという人は、ヘッジファンドなどを活用する選択肢も考えてみましょう。特に、今回紹介した「新興国市場」のように馴染みのない国や地域に投資する際には、非常に大きな力になってくれるはずです。

彼らは、金融の世界で「食っている」投資のプロであり、大きな流れの中で適切に投資することに秀でています。ぜひ、広い目で、様々な選択肢を検討してみてください。

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