前回、トータスパートナーズ(Tortoise Partners)について運用の仕組みや投資戦略、リスク等を解説しました。
そこで今回は、そんなトータスパートナーズが「どんな投資家におすすめなのか」を考えていきたいと思います。また、出資までの流れや手続きについても解説していきます。
目次
トータスパートナーズの概要(おさらい)
まずは、トータスパートナーズがどのようなファンドなのか、簡単におさらいしていきましょう。
ファンド形態
トータスパートナーズ(Tortoise Partners)は、投資信託とは違う「独立系の投資ファンド」です。
証券会社で扱われているわけではないので、投資をしたい場合には直接の知り合いからファンドを紹介してもらうか、ホームページ経由で自ら問い合わせをする必要があります。
運用方針
トータスパートナーズ(Tortoise Partners)は、国内の非上場株式(未公開株)に投資し運用します。
非上場株式(未公開株)は上場株式のように市場で取引されているわけではないので、トータスパートナーズのように未公開株に投資するPEファンドは、株主(一般的に創業者や経営者)と直接交渉し売買する「相対取引」によって買収を進めます。
トータスパートナーズは、国内の優良な中小企業の株式を取得し、買収した企業を経営します。
投資先(買収先)を保有し、経営し続けることで継続的な利益を得ることを目的とし、経営の改善・効率化によって収益性を高めていきます。
右から左に株式を売却し、転売による利益獲得を主体とはしていませんが、充分な価格での買い手が現れた場合には売却によってエグジットする場合もあるようです。
社会的意義
現在、日本の中小企業の経営者の平均年齢は年々上昇を続けています。これは少子高齢化が原因です。
このままのペースで経営者の高齢化が進むと、2025年には未上場企業の半数以上の経営者の年齢が70歳を超えるというデータもあり、この結果、事業にはなんの問題もないにも関わらず、黒字のまま廃業してしまうケースが爆発的に増加しています。
「経営には何も問題もないが、自分自身が続けるには体力的に限界が近い。しかし後継者も見つからない」という中小企業のオーナーが日本にはたくさんいるのです。
事業自体には問題がないにも関わらず、後継者不在によって中小企業が潰れてしまうというのは、日本にとって大きな損失です。
売上が減る分GDPは失われ、雇用が喪失し、技術が失われます。このような国力の低下が、こうしている間にも確実に進んでいるのです。
トータスパートナーズ(Tortoise Partners)は、このような社会的課題に正面から向き合うファンドです。
後継者不在を理由に廃業をしようとしている企業を買収し存続させ、適切な経営体制を構築することで、売上げや、雇用・技術を守り日本経済に貢献するというのがトータスパートナーズの理念となっています。
日本が抱える深刻な課題に対して、先鋭的な方法で解決を図ろうとする姿勢は、非常に高く評価できるものだと思います。
投資としての魅力とリスク
トータスパートナーズ(Tortoise Partners)は独自のルートで優良な未上場企業を開拓し、投資後は大手コンサルや総合商社出身のプロのビジネスマンが投資先のバリューアップに奔走します。
投資家はファンドに出資することで、これら一連のビジネスによるリターンを間接的に得ることができるのです。
株、外貨、ソーシャルレンディングなど最近は投資の方法も増えましたが、プロフェッショナルによる本格的な事業に投資するという選択肢は、資産を預け入れるにあたって魅力的です。
社会的意義の高い活動に投資し、さらに優れたリターンを期待することができるというのが、トータスパートナーズの魅力でしょう。
トータスパートナーズがおすすめの投資家
まとまった資産がある
トータスパートナーズ(Tortoise Partners)のようなヘッジファンドに出資するには、手元の資金が1,000万円以上あることが必要(条件)になります。
これは、ファンドが特定の投資家から資金を調達しているためという背景があります。
1万円程度から投資できる投資信託に比べるとハードルが高いので、ある程度の富裕層に向けたものになります。
社会的意義の高い投資を応援したい
ただ投資するだけではなく、「何か日本のためになるような投資がしたい」という方にとってトータスパートナーズ(Tortoise Partners)への投資はぴったりでしょう。
廃業していたであろう企業が救われていく過程を、投資家としてサポートできることは非常に満足感があります。
ファンドとしての規模が大きくなっていけば知名度もあがるでしょうし、その際に初期からの投資家であると言えることは非常に価値あることでしょう。
長期スパンでの投資をしたい
事業に投資し、会社を経営していくことで収益を得るトータスパートナーズ(Tortoise Partners)は、短気的に収益が出るものではありません。
最低でも、2~3年は資金を預け入れるというつもりで投資をする必要があります。
短期的に結果が出にくい一方で、日本の高齢化・廃業問題は簡単に解決するものではなく、トータスパートナーズの投資は今後も長期に渡って継続されることが予想されます。
10年近いスパンで考えて、ファンド、そして投資先の成長を見守るのも良いと思います。
司教に左右されない運用をしたい
非上場の企業(未公開株)に投資しているので、基本的に日経平均をはじめとした市況の影響をほとんど受けません。
景気が良くなった、景気が悪くなった、ということで資産が上下し一喜一憂するのが嫌だという方は、トータスパートナーズへの投資がおすすめです。
特に、最近は株式市場も不安定で、いつ大きな暴落が起こるかもわからないリスクを孕んでいます。
このような状況で、株式市場外にリスクヘッジするためのオプションの1つとしてもトータスパートナーズは適しています。
トータスパートナーズへの出資方法
トータスパートナーズの営業員やアナリストに直接の知り合いがいる場合には、出資を検討したいので一度話を聞かせて欲しいと連絡し、紹介してもらうのが早いでしょう。
担当の営業員から、投資戦略や契約内容等について詳しく説明を聞くことができるはずです。
直接のツテがない場合には、ホームページ等から問い合わせる必要があります。
投資内容や、出資に際してのリスクや手数料などについて確認し、気になるポイントについても一通り確認しておくと良いでしょう。
会って直接話を聞くことが、何よりも理解につながります。興味のある人は是非一度検討してみてはいかがでしょうか。
トータスパートナーズ(Tortoise Partners)の基本情報
- 会社名:トータスパートナーズ合同会社(TORTOISE PARTNERS LLC)
- 公式HP:https://tortoisepartners.jp/
- 分類:ヘッジファンド、PEファンド(非上場企業に投資)
- 募集形態:私募
- 事業内容:
(1)金融商品取引法に基づく有価証券及びデリバティブ取引
(2)各種事業への投資
(3)有価証券の自己募集
(4)経営コンサルティング業務
(5)前各号に附帯する一切の業務