投資信託の選定は重要にして最難関
投資信託は数え切れないほど存在します。投資信託協会の公表しているデータによると、2018年10月時点での、公募投資信託は6,195本にもなります。(参考:投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)直近データのバックナンバー - 投資信託協会 https://www.toushin.or.jp/statistics/statistics/data/backno_I011BG/)
これほどまでに数の多い投資信託の中から優良なファンドを見つけ出すことは決して簡単ではありません。1つ1つ精査するわけにもいきませんし、かといって勘で買うわけにもいきません。
2018年のように安定しない相場(市況)では、銘柄選びを間違えてしまうと一気に損をします。
2019年の相場もまだまだ油断はできません。厳しい戦いが予想される2019年の市場を勝ち抜くためにもおすすめの銘柄を考えてみたいと思います。
2018年のファンドオブザイヤーが公開
数ある投資信託から優良なものを見つけ出す際に参考になるのが様々なランキングです。投資信託に関するランキングは様々ありますが、中でも注目したいのが「Fund of the Year(ファンドオブザイヤー)」です。
ファンドオブザイヤーとは、有名・著名な個人投資家が「個人投資家目線で見て良い投資信託」を厳選したものです。その中でも最新のファンドオブザイヤー2018が先日公開されました。
注目のトップ10は以下の通りです。
順位 | ファンド名 | インデックス | 投資対象地域 | 為替 ヘッジ |
純資産総額 |
1 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | MSCIコクサイ インデックス(円換算ベース) | グローバル (日本を除く) |
なし | 291億円 |
2 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | MSCIコクサイ・インデックス | グローバル (日本を除く) |
なし | 1,001億円 |
3 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース) | グローバル (日本を含む) |
なし | 9億円 |
4 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | CRSP USトータル・マーケット・インデックス | 北米 | なし | 294億円 |
5 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 合成ベンチマーク | グローバル (日本を含む) |
なし | 195億円 |
6 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | なし | グローバル (日本を含む) |
なし | 1,616億円 |
7 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | FTSE All-World インデックス | グローバル (日本を含む) |
なし | 130億ドル |
8 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | S&P500指数(配当込み、円換算ベース) | 北米 | なし | 96億円 |
9 | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | グローバル (日本を含む) |
なし | 160億円 |
10 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円換算ベース) | グローバル (日本を除く) |
なし | 35億円 |
参考:投資信託ランキング - 個人投資家に人気のファンド https://www.toushikiso.com/kobetu/ranking.html
この中には当サイトで取り上げていたファンドも数多く含まれていました。それぞれの銘柄について、以下のページで詳しく解説しているので是非合わせてご一読ください。
やはり注目は分散投資型のインデックスファンド
今回ランキングの上位を占めたのは、全世界や北米を対象としたインデックスファンドでした。世界の経済やそれを牽引するアメリカに投資するファンドが人気のようです。
インデックスファンドが人気・注目を集める理由の一つとしては手数料の安さが挙げられます。いずれのファンドも信託報酬が0.1~0.2%と圧倒的な手数料の安さを誇ります。
これは特定のベンチマークに連動するように連動されるインデックスファンドならではの特徴でしょう。
もう1つの理由として考えられるのは、相場の上げ下げが大きく、特に特定の分野や領域に投資するような「テーマ型」と呼ばれるファンドの運用が安定しないことが考えられます。
もちろんインデックスファンドにも上げ下げはありますが、中長期で考えた時に「世界の経済が成長する=世の中が良くなる」と期待している人が多いことの表れだとも言えるでしょう。
とはいえ、もちろん実力のあるファンドはまだまだ注目を集めています。昨年(2017年)のランキングで6位につけ、最も有名なファンドの1つとなって「ひふみ投信」は11位です(ギリギリランキングには掲載できませんでしたが...)。
市場の"荒れ"に伴い、苦戦している時期もあったようですが、今後回復すれば再びランキングの上位に名を連ねることでしょう。
ひふみ投信に関するページ:
市場が荒れている時には「テーマ型」で運用するのは難しく、インデックスファンドに注目が集まります。一方で、「絶対収益(※)」を追求する、ひふみ投信のような直販型の投資信託やヘッジファンドへの期待が高まるのも確かです。
※特定の指標や領域にこだわらず、各社独自の指標で銘柄を選定し市況によらず利益を追求した運用を行うこと
2019年がどのような株式市場になるかはまだまだわかりませんが、これまでの経験や反省を活かし、より確実に利益を得られるよう工夫していきましょう。