「ある程度の貯金額になってはきたが、使い道がなくて何となくそのままにしてしまっている」
「投資や運用に興味はあるけれど、リスクは怖いしそこまでお金に困っているわけでもない」
「でも、せっかくだから資産を有効活用したいし、増やせるならそれに越したことはない」
ある程度の貯蓄ができる・できた人の多くがこのように考えているようです。確かに、運用で資産が増やせるならそれに越したことはありませんが、無理してリスクは取りたくない。
そういった方におすすめなのが、資産運用と社会貢献を両立する「ESG投資」です。
今回はお金を増やすことだけではなく、社会に貢献することを目的とした運用の方法について解説していきます。いわゆる一般的なお金儲けの投資とは異なる、新しい資産運用の形について考えてみましょう。
社会に貢献するESG投資とは
一般的ないわゆる「投資」の目的は、資産(お金)を増やすことです。
運用の方法は株、投信、不動産、FX、債券など多岐に渡りますが、その中から、利回り(リターン)、リスク、流動性、運用金額(資金)などを考慮して、投資対象を選定します。
今までは、「収益性(儲かるかどうか)」が投資をする上で最も重要な基準でしたが、それだけに止まらず、社会的な意義・価値をも追求するのがESG投資です。
ESGとは次の3つの単語の頭文字です。
- Environment(環境)
- Social(社会性)
- Governance(企業統治)
ESG投資では投資の際にこのESGの要素を重視します。
環境への配慮がなされているか、社会への責任を果たしているか、企業としてのコンプライアンスが保たれているか。
経済的な収益性だけに限らず、定性的な側面(環境への配慮や社会的意義、労働環境など)までも評価できる企業に投資することで、間接的な社会貢献に寄与することができます。
ESG投資が解決できる社会課題 - SDGs -
ESG投資は、経済的な利益(儲かる)が期待できることはもちろんですが、それだけでなく様々な社会の課題解決にもつながります。
Environment(環境)を重視する企業に投資(応援)すれば、巡り巡って環境保全に環境保全にもつながります。
例えば、少し前にスターバックスコーヒーが、プラスチックのストローを廃止し、紙のストローを導入することがニュースになりました。この一件が、果たしてどの程度環境に対して良いことなのかはさておき、スターバックスに投資する(スターバックスの株を買う)ということは、株価の上下から得られる利益だけでなく、間接的に環境保全にも資金を投じていることになります。
少し前にブームになった太陽光発電事業なども同様に、経済性だけでなく、事業そのものが環境保護につながります。
Social(社会性)を重視するということは、企業の提供する商品やサービスの社会的な価値を評価します。
最近流行の自動運転技術は実用化が進めば、社会のあり方を大きく変えることになります。自動車の安全運転保護機能(自動ブレーキや急発進抑制など)も、その機能・精度が向上すれば、事故を減らし、世の中を快適にできるかもしれません。
こういった技術・サービスの研究や開発に尽力している企業に投資することは、間接的に社会の発展に寄与することになります。
反対に、儲かる・儲からないに関わらず、反社会的勢力に繋がる企業に通ずるような企業に投資するなどもっての他でしょう。
Governance(企業統治)を重視するということは、労働環境が整っており、財務が健全な企業に投資するということです。良い側面を考えると少し難しいかもしれませんが、反対にブラック企業には投資しないということです。
ガバナンスの優れた企業に投資することで、労働環境の整った健全な企業を支援することにもつながります。
このように、ESGを重視した企業選定(ESG投資)は、社会の持続的な発展にもつながります。
持続可能な発展を目指すというのは世界共通の認識であり、「SDGs(Sustainable Development Goals)=持続可能な開発目標」として国連サミットでも採択されています。
出展:2030アジェンダ | 国連広報センター
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/
環境に配慮し、社会的な意義があり、社内も健全な企業に投資することは、地球の環境を守り、社会を発展させ、雇用を安定させて長く続く社会を築き上げます。
ESG投資によって、SDGs(持続可能な開発目標)を達成することは、国連サミットも支持する重要なポイントです。
短長期的な視点で、企業単体に止まらず社会全体のことを考えた投資がESG投資なのです。
ESG投資の収益性
社会の発展にも繋がるESG投資ですが、実は結果として経済的にもより大きな利益を得られるというデータも出てきています。
やはり、環境に配慮し社会的に意義のある企業は、結果として事業も上手くいき、多くの支持・支援を集めて経済的にも十分な利益を産むことになります。世の中のためになる会社が結局儲かるのです。
実際、世界の投資は着実にESG投資に流れてきており、すでに2,500兆円以上がESG企業に流入しています。
出展:ESG投資とは? | EV革命 | 大和証券
https://www.daiwa.jp/products/fund/201802_ev/esg.html
やはり、長期運用するには、事業や組織の健全さや将来性も重要になります。
目先の利益ばかりを追求しても上手くいかないのは、投資も企業も同じです。安定した運用を実現するためにも、ぜひ様々な視点や感性を大事にしてみてください。