iFreeとは

「iFree 8資産バランス」という投資信託をご存知でしょうか?

バランスよく分散投資できる投資信託として人気があり、「三井住友・DCつみたてNISA・ 日本株インデックスファンド」と同様に、人気ランキングでも上位に位置しています。

参考:【2018年版】人気のファンドはどれ?投資家注目の20の投資信託を、ランキング形式でご紹介!|Founder
https://found-er.com/column/investment/5322/

 

「きっちり8等分の分散投資」が人気の投資信託ですが、この「8等分」というのは本当に意味があることなのでしょうか?一緒に考えていきましょう。

 

基本情報

  • 商品名:iFree 8資産バランス
  • 商品分類:追加型投信/内外/資産複合
  • 投資対象地域:グローバル
  • 投資対象資産:その他資産(投資信託証券(資産複合 資産配分固定型(株式、債券、不動産投信)))
  • 分配方針:年1回
  • 投資形態:ファミリーファンド
  • 為替ヘッジ:なし
  • 信託設定日:2016年9月8日
  • 信託金の限度額: 3,000億円
  • 購入時手数料:なし
  • 信託財産留保額:なし
  • 運用管理費用(信託報酬):年率0.2376%(税抜0.22%)
  • 委託会社:大和証券投資信託委託株式会社

参考:投資信託説明書(交付目論見書) iFree 8 資産バランス
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/scr/common/display.asp

 

iFreeの特徴とは

iFree最大の特徴は、資産を均等分散投資するというポートフォリオの組み方にあります。

投資された資産を「国内株式」「国内債券」「先進国株式」「先進国債券」「新興国株式」「新興国債券」「国内リート」「海外リート」の8つに均等に配分するのです。

参考:投資信託説明書(交付目論見書) iFree 8 資産バランス
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/scr/common/display.asp

 

それぞれの資産クラスは、特定のインデックスに連動するように運用されます。対象とするインデックスは以下の通りです。

  • 国内株式:東証株価指数(TOPIX)
  • 先進国株式:MSCIコクサイ指数(円ベース)
  • 新興国株式:FTSE RAFI エマージングインデックス(円換算)
  • 国内債券:NOMURA-BPI総合指数
  • 先進国債券:FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース)
  • 新興国債券:JPモルガン ガバメント・ポンド・インデックス-エマージング・マーケッツグローバル ダイバーシファンド(円換算)
  • 国内リート:東証REIT指数(配当込み)
  • 海外リート:S&P先進国REIT指数(除く日本)(円ベース)

参考:投資信託説明書(交付目論見書) iFree 8 資産バランス
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/scr/common/display.asp

 

また、これらの運用のコストが低い(安い)のもiFreeの特徴です。

購入時手数料、換金時手数料(信託財産留保額)が無料な上、運用管理費用(信託報酬)もわずか年率0.2376%(税抜0.22%)です。一般的な手数料水準は1%前後だと考えると、比較的低水準だと言えます。

参考:投資信託説明書(交付目論見書) iFree 8 資産バランス
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/scr/common/display.asp

このようにiFreeには

  • 8つの資産に均等に分散投資する
  • 手数料は低水準(安い)

という大きな特徴があります。

 

8等分されたポートフォリオに価値はあるのか?

「8等分」というiFree最大の特徴ですが、本当に投資する上で重要なことなのでしょうか?

「分散投資」はリスクヘッジの手段として王道であり最も効果的な手法です。

様々な種類・地域・属性の資産を持つことで、特定の資産の上げ下げの影響を小さくし、資産の振れ幅を小さくすることが期待できます。

 

"分ける"という観点で言えば、資産を8つに分けることは理にかなっています。しかし、分散投資とは、訳も分からず分ければ良いというものではありません。

 

本来、ポートフォリオとはそれぞれの相性や相関関係を考慮して組む必要があります。

例えば、同じ自動車業界のA社とB社の株を考えて見たいと思います。業界の中でこの2社がライバルであればA社が好調なとき、B社は不調かもしれません。そうすると片方の株価が上がる時もう一方が下がるため、AとBの株を持つことはリスクヘッジになります。

 

しかし、自動車業界全体が好調であれば共に値上がりし、不調であれば同じように株価を下げる可能性が高いため、業界という観点で見るとこの2社ではリスクヘッジになりません。

自動車業界の好調/不調のリスクをヘッジするためには、自動車業界が不調なときに好調になるような業界(どんな業界が当てはまるでしょうか...)の株を持つ必要があります。

 

いろいろな業界に投資しても、それが全て日本の企業だった場合、日本経済の良し悪しによってポートフォリオが一気に崩れる可能性もあります。そのリスクをヘッジするためには海外にも投資した方がよいでしょう...

このように目的や考え方によっていろいろと考えてポートフォリオを組むことが、分散投資をする上で重要なのです。

 

そもそもiFreeのポートフォリオは均等に分散されているのでしょうか?

改めて見直してみると以下のように見ることもできます。

  • 国内:海外=3:5
  • 日本+先進国:新興国=4:2
  • 株式:債券:リート=3:3:2

8つに分かれてはいるものの、似ているものをまとめると上記のように捉えることもできます。

 

iFreeの8つの資産クラスは、その中に様々な投資先が含まれています。

「国内株式(日本株)」というポートフォリオの1つをとっても、数百もの国内企業に分散投資していることと変わりありません。それ以外の資産クラスについても同様です。

iFreeに投資することで、確かに資産は分散されますが、果たしてどのような意味・価値があるのかはきちんと考えなければいけません。

もっと端的に言えば、8等分すること自体には大した価値はないので注意してください。

 

まとめ

iFreeに投資すると確かに8つの資産に分散して投資することができます。またそれが年0.22%(税抜き)という低コストで実践できるのも魅力的に見えます。

 

ただし、本来「分散投資」「リスクヘッジ」とはもっとたくさんのことを考慮する必要があります。自分のポートフォリオを考えたときに、「どんなリスクを回避したいのか」「そのためにどんな銘柄を保有する必要があるのか」を考慮して投資先を決めなければいけません。

 

そもそもリスクをヘッジするということは、リターンもある程度犠牲にすることになります。

リスクを回避しようと資産を分散すればするほど、損失だけでなくリターンも相殺することになるため注意が必要です。

 

iFreeは目的をもって投資する人にはおすすめできますが、むやみやたらと投資すればよいというものではありません。この銘柄に投資することで、自身のポートフォリオにどのような影響があるのかをしっかりと考えるようにしましょう。

▼おすすめファンドランキングはこちら▼

おすすめの記事