「ポイント投資」をご存知でしょうか。
ポイント投資とは、買い物などで貯まったポイントで資産運用ができるという新しい資産運用の形の1つです。
そのお手軽さからテレビなどでも紹介され、今注目を集めていますが、ポイント投資はやってもほぼ意味がありません!
今回はその理由について解説していきます。
ポイント投資とは
「ポイント投資」とは、その名の通りクレジットカードなどを利用することで貯まるポイントで資産運用ができるというものです。
日々の生活で貯まるポイントを有効に活用することができ、また少額から手軽に運用に回すことができるという点が高評価されています。
楽天スーパーポイント
ポイント投資が出来るものはいくつかありますが、その代表的なものに楽天スーパーポイントがあります。
出典:ポイント投資 | ポイントプログラム | サービス案内 | 楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/service/point/investment/
楽天ポイントでの運用は以下の5ステップです。
- 投資信託を選ぶ
- 買い付け金額を決める
- ポイント利用額を決める
- 分配金コースを決める
- 注文
楽天ポイントでの運用が人気の理由は、そのお手軽さと「100円」から購入することができるというハードルの低さでしょう。「始めやすい」という意味ではポイント投資はとても優秀ですね。
ただし、こちらで購入できるのは投資信託のみとなっており、株式を購入する事は出来ません。お手軽に始められる反面、このような制限も存在しています。
dポイント
出典:dポイント投資
https://dpoint-inv.com/?utm_source=corporate&utm_medium=referral&utm_campaign=dpoint_inv
NTT DOCOMOが取り扱う「dポイント」も運用に活用することができます。
dポイントでの運用の特徴は、「おまかせ運用」と「テーマ運用」の2つから選べるところにあります。
「テーマ運用」では、日経平均株価や新興国、米国大型株、金(ゴールド)のようなマクロに対応するものだけでなく、DOCOMOならではの視点で「コミュニケーション」や「ヘルスケア」「生活必需品」を選択することもできます。
一方の「おまかせ運用」コースでは、いわゆる「ロボアドバイザー」と呼ばれ、AIを用いた運用をする「THEO」と提携して運用を任せることができます。
その中でも投資家は「アクティブ」と「バランス」の2つから戦略を選ぶことができ、好みに応じてバランスを調整することができます。
ポイント投資に意味がない理由
ポイント投資がお手軽に始められることは分かりました。
しかし、資産運用としては全くおすすめできません。
その理由はなんと言っても「金額の小ささ」です。
運用に回せるポイントですが、頑張って貯めている人でも数万円でしょう。数十万円や数百万円分ポイントを貯めている人は中々いないと思います。
つまり、必然的に運用金額が数万円程度に限られてしまうのです。
例えばですが、3万円分のポイントを運用したとしましょう。
仮に2倍になったとしましょう。「運用で2倍!」というと大成功のようにも聞こえますが、運用の元手(ポイント)が3万円しかなければ、3万円のリターンにしかなりません。
1,000万円を運用して1%の成果が出せれば、10万円のリターンになります。
資産運用を考えるに当たって、運用する金額の大きさは非常に重要です。
少額から運用をスタートできる「ポイント投資」はハードルが低いのが魅力ですが、資産運用としてはほとんど価値がないという大きな弊害ももたらしています。
また、投資対象も制限されており、好きな会社の株に自由に投資ができるものではありません。
「とりあえず」で投資をはじめて損はありませんが、得られるものもほとんどないと言って良いでしょう。
もっと言えば、100ポイント(=100円)が目減りして80ポイントになっても、多くの人はあまり気にしないかもしれません。なんなら、日々少しずつポイントが貯まるため気づくこともないかもしれません。
そうやって、心理的なハードルを下げて安易に運用をさせようという事業側の魂胆すら見え隠れします。
まとめ
「ポイント投資」のように金額が小さく、ハードルも低いもので必要なリターンは得られません。
新しいサービスの1つとして注目が集まっていますが、その本質は非常に悪どいものかもしれません。
将来のことを考えて、きちんと資産運用をしていきたいと思うのであれば、やはりそれ相応の資金を用意し、きちんとしたサービス(ヘッジファンドなど)を活用する方が賢明でしょう。
ハードルの低いものは、簡単に始めることができますが、一方でそこに大した価値はありません。
今一度、資産運用のあり方について、きちんと考えてみる必要があるかもしれません。