最近「REIT(リート)」という言葉を耳にする機会も増えてきましたね。
新しい不動産投資の形として注目されていますが、単語は知ってるけど中身が何かはよく分からないという人も多いのではないでしょうか。
今回はそんなREIT(リート)の基本と3つの特徴について解説していきたいと思います。
目次
REITの歴史と仕組み
REITの歴史
元々「REIT」という仕組みは1960代にアメリカで生まれ、1990年代頃に急速に広がりました。
日本で初めて市場が誕生したのは2001年に入ってからです。
正確に言うと日本のREITは「J-REIT(ジェイ・リート)」と呼ばれていますが、今回は細かい事は気にせずREITと表記していきます。
アメリカから40年ほど遅れて産声をあげた日本のREIT市場ですが、当初は2つの銘柄しか上場していませんでした。
「日本ビルファンド投資法人」と「ジャパンリアルエステイト投資法人」です。
たった2つしかなかったREIT市場ですが、2018年11月には61銘柄まで激増しています。
市場規模も2001年には2,500億円ほどであったのが、2018年11月には13兆2,500億円まで拡大しています。
東京オリンピックや大阪万博の影響もあり、不動産投資熱が高まる中、ますますREIT市場に注目が集まっています。
REITの仕組みとは
まず、「REIT」とは何ぞや?という所から解説していきたいと思います。
REIT(リート)とは「不動産投資信託」のことです。「Real Estate Investment Trust」の頭文字を取ってREIT(リート)と呼ばれています。
投資家から資金を集めて不動産を購入し、その賃料収入や売却益を投資家に分配します。
出典:そもそもJ-REITとは? - 投資信託協会
https://www.toushin.or.jp/reit/about/what/
REITとは、投資信託の一つで、特に不動産に投資するものをそう呼んでいるに過ぎません。
「お手軽に不動産に投資をしたい」という方は、REITに注目してみるといいと思います。
REITの3つのメリット
① 分配金が多い
REITは、一般的な株式と比較して分配金の率が高いという特徴があります。
分配金とは株式でいう配当のようなものであり、投資信託を保有している限り定期的に入る収入です。
なぜ分配金が多いかというと、REITは「利益の90%超を投資家に分配することによって実質法人税が免除になる」という制度に起因しています。
難しい事はあまり考えずに、「REITでは税制の関係上、利益のほとんどを投資家に分配する」と理解してもらえれば大丈夫です。
株式の配当とREITの分配金の率を比較してみましょう。
出典:国内株式指標 :株式 :マーケット :日経電子版
https://www.nikkei.com/markets/kabu/japanidx/
基準を判定する日付や平均を取る項目によっても変わりますが、日本株の配当は約2%程度です。
一方で、REITの分配金は次のようになっています。
出典:JAPAN-REIT.COM - 全ての投資家のための不動産投信情報ポータル REIT一覧(リートデータ)
http://www.japan-reit.com/list/rimawari/
REITの平均分配金利回りは4.12%となっていますが、相場は概ね3.5~4.0%程度です。
REITの分配金利回りは、日本株の配当の2倍ほどになっているのです。
この利回りの高さは大きな魅力の一つと言えるでしょう。
② 小額からでも投資が可能
不動産投資とは、本来巨額の資金が必要なものです。マンションの一棟買いを考えたら安いものでも数億円、ビルを買おうものなら数十億円、数百億円の話です。
そのため、不動産投資は一般に投資用マンションを一部屋〜数部屋程度を購入することにしかなりません(それでも都内でマンションを買おうと思えば、数千万円は必要になりますが...)
ですが、REITであれば小額から色々な不動産への投資ができます。
出典:国内株式|SBI証券
https://www.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_domestic&cat1=domestic&cat2=none&dir=info&file=domestic_reitstudy_130118.html
安いもので10万円程度、大家ものでも100万円ほどでの購入が可能です。また、個人では到底手を出すことができないような、オフィスビルや商業施設に投資することもできます。
小額から、多種多様な不動産投資ができるというのが、REITの大きなメリットの1つです。
③ 市場で取引できるのですぐに換金できる
REITは投資信託なので、株式と同じように市場で簡単に売買できるという特徴があります。
これは見落としてしまいがちですが、非常に重要な大きなメリットです。
投資において重要な要素の一つとして「流動性」があります。流動性というのは現金化しやすいかどうかを表します。例えば、株式であれば注文を出してすぐに現金化することが出来るので「流動性が高い投資」となります。
一方で、現物の不動産投資は「流動性が低い投資」になります。
不動産を売却して現金化するには、買い手がいなければなりません。
しかし、不動産の売買は簡単にできるののではありません。数千万円~数億円という金額をぽんと払える人はほとんどいませんし、銀行から借入する場合、審査などの時間も必要になります。
そもそも株式市場のようにたくさんのプレイヤーが細かな売買を繰り返しているものではないため、買い手がつかないかもしれません。
投資において、流動性の低さはリスクに繋がります。
例えば、事故や病気などでまとまった資金が必要になったとき、すぐに投資している資産を現金化できるかどうはか重要です。
また、「不動産の価値が下がりそうだ!今すぐ手放したい、売りたい」と思ったとしても、買い手が見つからずにそれを保有し続けるしかない状況に陥ってしまうかもしれません。
ですが、REITであれば、市場で売買できるため、現物の不動産投資とは違いすぐに現金化することができます。REITは、一般的な投資信託と同様に市場で取引ができる「流動性が高い投資」=「リスクの低い投資」なのです。
このポイントを見落とさないようにしましょう。
REITに投資するには
REITに投資するには、証券会社に取引用口座を作る必要があります。
どの証券会社でも取引は可能ですが、証券会社ごとに強みや特徴があります。
やはりオススメは、手数料が最安値のSBI証券でしょう。
それ以外の証券会社についても、以下の記事で詳しく比較しているのでぜひ参考にしてみてください。