一時、世間を騒がせた「村上ファンド」を覚えていますでしょうか。

ニッポン放送株でインサイダー取引をしていたとして、2006年に代表の村上世彰氏が逮捕された事件が有名ですが、そんな村上世彰氏は、現在、投資についての教育に力を入れています。

 

今回は、投資の最前線を経験した村上さんの言葉に学んで、資産運用とはどういったものか考えていきましょう。

 

村上世彰の5つの言葉

「株はギャンブルでしょう?違います、投資ですよ。」

残念ながら、投資や運用をギャンブルだと思っている人がまだいらっしゃるようです。

確かに、ある程度のリスクを伴うものでもあり、減ってしまう可能性がある点は否定できません。

 

ですが、資産運用とギャンブルは全く異なります。

 

一般的なギャンブルは期待値が1を下回っています。期待値が1に満たないという事は、やればやるほどお金が減っていく方に収束します。

例えば、競馬や競輪などの期待値は約0.75なので、100万円かけたら75万円になって戻ってくるという訳です。やればやるほどこの金額に収束するため、最終的にはほぼ確実に負け(損をし)ます。

 

また、宝くじも期待値がものすごく低く、約0.45です。100万円分買ったら平均して45万円になって戻ってくるのが宝くじです。

 

一方で、株式投資はそうではありません。

ギャンブルのように胴元のいないゼロサムゲームであり、全体の期待値は1(100%)になります。仮に証券会社への手数料を1%前後引いても、0.99です。

 

株式投資の場合、経済成長によって市場全体の株価が上がれば、1以上の期待値にもなり得ます。

つまり、経済成長する限り、全ての投資家が儲かる可能性があるのが、株式投資なのです。

仮に、経済成長が横ばいだったとしても、マーケットに参加しているプレイヤー(投資家)の中で、半分以上の成績を残すことができれば、得をすることになります。

 

この期待値の差だけをみても、投資がいかにギャンブルとは異なるものかを知ることができます。

 

「1万円が100万円になる可能性が2%なら僕はやる。」

「1万円が100万円になる可能性が2%(残りの98%は1万円損をする)のもの」に投資するかどうかを考えてみましょう。98%の確率で損すると言われると非常に恐ろしくてほとんどの人がやらないのではないでしょうか。

「2%」と言うとだいぶ小さい可能性の気がしてしまいますが、ここでも期待値を考えてみる必要があります。

 

2%の確率で100万円(=100倍)になるものの期待値は、残りの98%で1万円の掛け金を失う可能性があったとしても、期待値は「+100万円 × 2% + (−1万円)× 98% = 1万200円」です。

 

つまり期待値は1を上回っています。仮に、この投資を100回繰り返せば、理論上は儲かるはずですし、100万回繰り返せば、この期待利回り+2%に収束し、ほぼ確実に2億円の利益を得ることができるはずです。

 

投資の世界で重要なのは、感情に惑わされずに、冷静に数字(期待値)で判断することです。

 

「日経平均だけやっている人は8割方勝ってるんじゃないですかね。」

「株なんてほとんどの人は損するだけだ」と思っている人もいるかもしれません。

 

確かに株式投資は奥が深く難しい点もありますが、一方で、初心者でも楽に資産運用をできる方法があります。

それが「インデックスファンドへの投資」です。

「インデックスファンド」とは、特定のインデックス(指標)に連動するよう運用されるファンドのことであり、日経平均をベンチマークとするものの場合、日本が経済成長する限り、長期的に株価は上昇します。

 

インデックスファンドへの投資は株式市場全体へ投資することと同義です。株式市場全体が成長すれば投資家全員に利益が出ます。

資産運用はきちんとやれば利益がでるものです。そして、多くの人が利益を得ている方法であり、恐れる必要はないのです。

 

インデックスファンドがおすすめな理由については、以下の記事でも詳しく解説しています。是非こちらも合わせてご一読ください。

 

「日本の企業を"あるべき姿"にしなきゃいけない」

株式投資は、株価の上下によって投資家が儲かる/儲からないという点にばかり目がいきがちですが、実は日本経済への良い影響もあります。

 

例えば、村上ファンドは企業を買収して経営陣に色々な提案をする、いわゆる「モノ言う株主」でした。株主が経営陣に対してモノ申すことにネガティブなことを言う人もいますが、それは間違ったイメージです。

ちょっと難しい話になりますが、ROE(Return on Equity, 自己資本利益率)という経営指標があります。これは、株主が出資したお金を使ってどれだけ有効に利益を出せているかを測る指標です。

 

金融庁によってROEは8%を目指すべきというルールが出されていまが、現実には8%を上回れていない企業が数多くあります。

村上ファンドでは、そういった「お金を上手く使えていない企業」に対してモノ申してきました。企業が上手くお金を使えるようになると、日本の企業全体の価値が上がっていき、経済成長につながります。

 

結果として、投資家(この場合は村上ファンドも含めて)にも利益が還元され、儲けを得ることができるため、「自分の利益のために経営に口を出すイヤなやつ」と受け取る人もいるようですが、それは結果的にそう見えるだけで、投資先の会社にも、日本経済にも利になっています。

 

日本の企業を“あるべき姿”にしなきゃいけない。そういった使命感を持って取り組んでいたのが村上ファンドなのです。株式投資には日本経済全体へのプラスのインパクトもあることを知っておきましょう。

 

「これからどんどん自分のお金を減らしていこうと思ってます。」

「僕のお金を僕が増やして僕がもらうんじゃなくて、誰かに寄付したりすることによって、そのお金が新しい価値を生み出してくようなメカニズムがあるのなら、いくらでも貢献したい。」

「社会の何かのシステムが変わるとか、子供たちの教育に使うとかいうことで、将来、社会の中で循環するお金が増えるようなメカニズムであればどんどん寄付しようと思っています。」

 

投資によって超がつくお金持ちの村上世彰氏は、最近では利益を上げるためにお金を動かすのではなく、社会を善くするためにお金を使っているようです。

お金というものはただ貯金しておいても何にもなりません。使って初めて効果を発揮します。

 

個人投資家が「お金を動かす」を実践するには

  • 利益を上げるためにお金を動かす
  • 社会に貢献するためにお金を動かす

 

いずれの理由でもかまいませんが、お金は動かすことによってその価値を発揮します。

 

では、私たち個人投資家が実践するにはどのような方法があるのでしょうか。社会貢献になるようなお金の使い方を考えるのは難しい点があります。

一番簡単な方法は、ヘッジファンドへの投資でしょう。

 

ヘッジファンドにも様々な種類があり、投資先に価値提供し、経済成長に寄与するような投資をするファンドもあります。

もちろん、そういった活動(価値提供)を通じて、投資先にもファンドにも、そして出資者にも利益が還元されるように働きかけるのがこれからのファンドのあり方でしょう。

これは、近年注目されている「SDGs(持続可能な開発目標)」に通ずるものがあります。

 

当サイトではおすすめのファンドをランキング形式で紹介しているので、興味のある人は是非参考にしてみてください。

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