「野村つみたて外国株投信」は、海外に投資をしたい人に人気の投資信託です。
「投信ブロガーが選ぶFund of the Year」でも第4位にランクインしています。
今回はそんな野村つみたて外国株投信のメリットとデメリットについて解説します。
目次
野村つみたて外国株投信とは
投資信託基本情報
出典:投資信託説明書 (交付⽬論⾒書)|野村つみたて外国株投信
https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/connect/fund/0131317A00000003.pdf
- 商品名:野村つみたて外国株投信
- 主要投資対象:新興国を含む外国の株式市場
- ベンチマーク:MSCI ACWI(除く⽇本、配当込み、円換算ベース)
- 商品分類:追加型/海外/株式
- 信託期間:無期限 (2017 年 10 ⽉ 2 ⽇設定)
- 購入時手数料:なし
- 信託財産留保額:なし
- 運用管理費用(信託報酬):純資産総額に対して年率0.2052%(税抜年0.19%)をかけた額
- 為替ヘッジ:なし
- 委託会社:野村アセットマネジメント株式会社
外国株に投資をするインデックスファンドとは
野村つみたて外国株投信は、外国株に投資をするインデックスファンドです。
「インデックスファンド」とはある決まった株式指標に対して連動するような運用をするファンドのことを言います。代表的なインデックス(指標)としては、TOPIXやS&P500、MSCIコクサイ・インデックスなどが挙げられます。
その中でも野村つみたて外国株投信は、「MSCI ACWI」に連動するように運用されます。
「MSCI ACWI」と言われてもなんのことかわからないかもしれませんが、これは日本を除いた先進国と新興国の⼤型株および中型株によって構成される指数です。組入れ銘柄数は2,200程にも上ります。
つまり、野村つみたて外国株投信は、日本を除いた全世界に広く投資するファンドだと思ってもられば大丈夫です。
野村つみたて外国株投信の3つのメリット
メリット① 先進国・新興国の両方に投資できる
先述の通り、野村つみたて外国株投信では新興国も含めた全世界の株式に投資することが出来ます。
出典:マンスリーレポート|野村つみたて外国株投信
https://doc.wam.abic.co.jp/ap02rs/contents/pdf/0131317A_m.pdf
割合を見てみると資産の11.7%程が新興国株式に投資されている事が分かります。
先進国株式のみに投資をするインデックスファンドも多いのですが、新興国にも投資をしたい人にはおすすめです。
メリット② 少ない資金から始められる
野村つみたて外国株投信はその名の通り「つみたて専用」です。
毎月1万円からでも積み立てて買うことができます。
投資・運用には、一般的にまとまった資金が必要となります。
株式には、最低の取引単位を表す「単元」というものがあり、一般に100株で設定されています。そのため、例えば、有名企業の株を買おうと思うと、最低でもこれだけの資金が必要になります。※執筆時点(2018年12月7日)
- トヨタ自動車:約69万円(6,858円×100株)
- 任天堂:約329万円(32,880円×100株)
- ファーストリテイリング ※ユニクロ:約590万円(58,990円×100株)
これらと比較しても、1万円から投資を始められる「野村つみたて外国株投信」は、投資初心者の方も安心して少額からスタートできることがわかります。
気軽に始められる点が2つめのメリットと言えるでしょう。
メリット③ つみたてNISAを活用できる
つみたてNISAとは、2018年1月にスタートした、長期・積立投資のための非課税制度のことです。
本来であれば投資で得た利益には税金(20.315%)がかかりますが、つみたてNISAを活用することによってこの税金を無し(ゼロ)にすることができます。
非課税投資枠(限度額)が決まっており、年間40万円までですが、利益に対して支払う税金がなくなるのは大きなメリットです。
仮に40万円を年10%で運用し4万円の利益を得た場合、通常の課税額は8,000円ですが、これがゼロになります。
これを活用しない手はありません。
野村つみたて外国株投信は小額をコツコツと積み立てることができ、正につみたてNISA向けに設計された商品と言えるでしょう。
野村つみたて外国株投信の3つのデメリット
デメリット① 手数料が最安値ではない
野村つみたて外国株投信には、同じような運用をする類似する他の投資信託があります。
例えば、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)が挙げられますが、それと比較して野村つみたて外国株投信の手数料は決して安くありません。
- 野村つみたて外国株投信:年率0.2052%(税抜年0.19%)
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本):年率0.15336%(税抜 年率0.142%)
厳密に言うと、ベンチマークとしている指標が異なりますが、どちらも全世界の株式に連動する指標をインデックスとしているので、運用のパフォーマンスは似たようなものになります。
同じ成果が得られるのであれば、手数料が安いに越したことはありません。
そのため、手数料が最安値ではないのはデメリットの1つと言えるでしょう。
デメリット② まとまった資金を運用するのに向いていない
野村つみたて外国株投信はつみたて専用です。
月々1万円からといったように小額から始めるのには向いていますが、一方で大金を運用するのには適していません。
例えば1,000万円を超えるような資金を運用したいと考えている人には適していないでしょう。
積立投資は、あくまでも小額をこつこつと長期で運用したい人向けの商品です。
まとまった資金を運用したい人は違う商品で運用した方が良いでしょう。
デメリット③ 売却のタイミングが難しい
投資は買ったら終わりではなく、売却するところまで考えなければなりません。
野村つみたて外国株投信は長期でコツコツと運用していく商品です。
では、いつ利益確定すればいいのでしょうか?いつ損切りすればいいのでしょうか?
出典:マンスリーレポート|野村つみたて外国株投信
https://doc.wam.abic.co.jp/ap02rs/contents/pdf/0131317A_m.pdf
こちらはこれまでの運用実績の推移です。
純資産額は増えていますが、運用成績はいったりきたりを繰り返していますね。
そもそもの設計として、野村つみたて外国株投信は世界経済が成長していけば利益が出ますし、低迷すれば損失が出るという形になっています。
つまり、「経済成長が正確にはいつになるか分からないけど10年20年と長期でやっていけば右肩上がりのはずでしょう。」という思いのもと投資をすることになります。
結果として、いつやめるべきかの判断は非常に難しくなってしまうのです。
「〇〇%の利益(損失)が出たら売却する」といったようにラインをあらかじめ決めておくのも一つの手かと思います。
いずれにせよ初心者の方には難しい判断を迫られることになります。
まとめ
野村つみたて外国株投信についてまとめると以下のようになります。
- 新興国も含めた全世界株式の投資する
- つみたてNISAを活用できる
- 手数料が最安値ではない
- 小額からでも出来るので簡単に始めやすい
- ただ、売り時は難しいので簡単な投資というわけではない
良い点も悪い点も書きましたが、どんな商品にも長所短所はあります。
さらに詳しく知りたい方は証券会社のホームページから目論見書やレポートをぜひチェックしてみて下さい。