投資の「プロ」というと皆さんはどのような人を想像するでしょうか?
地方銀行やメガバンで働く人、または証券会社勤務の人を想像するかもしれませんね。
確かに、彼らは「金融のプロ」かもしれませんが、「投資のプロ」と呼ぶほどの呼ぶほどの知見を持ち合わせてはおりません。
実際、同じように金融の業界だとしても、就職する先によって、個人のリテラシーには驚くほどの差が生まれます。
私が「投資のプロ」と呼んで良いと考えているのは、外資系投資銀行等「一部の極めて専門的な金融機関に5年以上勤めた人」、「フィナンシャルアドバイザー等として5年以上充分な収入を得ている人」、「プライベートバンカー」、あとは「投資ファンド勤務の人」や「個人投資家として長期で成功している人」です。
投資・資産運用という意味では、彼らは普段、他の人達に指南をする立場ですが、彼ら自身はどのように自分の資産を運用しているのでしょうか?
今回は、投資のプロ達の資産運用について、私の知る限りでその代表的なものをいくつか紹介したいと思います。
目次
プロが投資しないもの
まずは投資のプロが買わない商品から見ていきましょう。
一般の方は手を出してしまいがちですが、プロで投資しているという人を見たことがないという金融商品がこちらです。
投資信託
投資信託で運用しているというプロは、まず見たことがありません。
アクティブ運用に運用としてのパフォーマンスがないこと、インデックス型を買うならETFで良いということを知っていることなどが主な理由です。
銀行預金、日本国債
預金、日本国債ではお金は増えません。
投資のプロ達は、適切な投資先に投資すれば資産は「増えて当然だ」ということを知っています。
資本主義経済の原理原則は、「拡大」なので、ランダムに何かの商品に投資したとしても期待値的にはプラスなのです。
そのため、利回りが0.0~%というような商品には目もくれません。
仮想通貨
仮想通貨のような、最新の金融商品や、投機色の強い金融商品に投資しているプロもまずいません。遊び半分でやっている人はいますが、積極的に投資をしているという人はあまり見たことがありません。
「最新」と言えば聞こえは良いですが、裏付けも実績もなく不確実で、結局ただのギャンブルだと知っているので、これで真剣に儲けようという気はないということです。
プロが投資するもの
次に、「プロはこれには投資する」という商品を見ていきましょう。
加えて、それが「素人でもマネできる投資なのか」ということも合わせて考えていきたいと思います。
株式
自分で適当に株を選定して保有する投資家は当然います。
ただ、本格的に個人のトレーダーとして活動をしない限り、分析や購入後の売却タイミングの精査が容易でないため、実はそこまでの本腰を入れずに、興味程度で株を持っているというパターンが少なくありません。
素人がマネできるかと言うと、当然表面的には簡単ですが、株式投資で運用するのはおすすめできません。
外国債券
割と保有している人が多いのが「外国債券」です。米国債を買っているパターンなどを、よく見かけます。
外国の債券を買う(=投資する)人たちは、ある程度リスクを抑えつつ2~5%くらいのリターンを狙っている場合がほとんどですが、為替リスクには注意しなければいけません。
為替が平気で10%、20%と変動するので、外国債券に投資をするタイミングを間違えると、債券自体の利回りを平気で帳消しにしてマイナスリターンとなってしまう可能性が十分にあります。
投資のプロと呼ばれる人達は、今が円安なのか円高なのかを冷静に見極めることができるので、円高に振れているタイミングを見計らって、一気に外国債を購入します。
これがリスクを抑えつつ、そこそこリターンを狙う投資をするコツです。
ちなみに素人がマネできるのかと言うと、外国債を買うこと自体はマネできても、円安円高の判断ができないため、あまりおすすめはできません。
為替は、長期で見る必要があるので、10年後20年後にどれくらいのレートになっているべきかということを考える必要がありますが、これが容易ではありません。
プロの意見を仰ごうにも、本当に為替に精通している人の見解を知るのは難しいものがあります。
表面的にマネはできても、為替については運任せだと思って取り組むしかないでしょう。
全世界型株式ETF
全世界型のETFに資産を振り分けているプロが実はかなり大勢います。
大前提として、投資のプロは収入が多く資産が多いため、大きくリスクをとらず年に3~4%の利回りで確実に運用しようという傾向が高くなっています。
そのため、長期で確実に成長していくであろうという理由から、全世界の株式へ分散投資するパターンが往々にしてあります。
ちなみに、世界全体でみた場合の株式市場自体の成長率は年3~4%だと言われています。
短期的な上下は避けられないものの、20、30年の長期で考えればこの程度の利回りが理論的に期待できると考えれば十分でしょう。
これは、素人投資家も簡単にマネをすることができます。
ただし、収入や資産のベースが違うので年3~4%程度の利回りで良いのかどうかは別問題です。
ヘッジファンド/私募ファンド
ヘッジファンド等を活用して自らの資産を運用するパターンはよく見かけます。
ヘッジファンドとは、富裕層向けの専門的な投資ファンドです。数十人から数百人程度の投資家に投資(=出資)してもらい、数十億から数百億の資金を運用します。
投資のプロがヘッジファンドを活用するのは、手数料を払ってでも優秀なトレーダーに運用を任せる方がリターンの期待値が高いということを知っているからです。
実際、統計によりヘッジファンドの平均リターンは市場の平均値を大きく上回っていることが分かっています。
なお、彼らがヘッジファンド等を活用するもう一つの理由は、ヘッジファンドを活用「できる」からです。
ヘッジファンドの多くは最低出資金額が設定されており(一般に1,000万円程度)、それを超える資産がないと投資をすることができないという難点があるのです。
金融のプロは収入のベースがあり、ある程度資金を運用できるため、このハードルをクリアすることができます。
また、ヘッジファンドには「発見すること自体が困難」という課題もあります。
というのも、銀行の窓口や証券会社の担当者からヘッジファンドの投資を勧められるということはありません。
投資のプロと呼ばれる人達は、自分の人脈や業界のネットワークから、優秀なヘッジファンドの情報を得ることができます。
素人投資家の場合、潤沢な資金力があり、良いファンドを見つけることができれば、十分にマネできる運用の方法になるでしょう。
おわりに
今回は、投資のプロと呼ばれる人達が、実際に自分の資産をどのように運用しているのかということについて解説してきました。
素人が手を出しがちな金融商品が実は、おすすめできなかったり、意外なものや、あまり知られていないもので運用している人が多いという新しい発見もあったのではないでしょうか。
このような専門的な観点からまとめた「おすすめの投資先」をランキング形式で以下にまとめています。ぜひ参考にしてみてください。