2018年は波乱の1年だった

2018年の株式市場相場はまさに激動と呼べる波乱の一年でした。

1月は2017年の好景気を受け、24,000円近い高値からスタートし、5ヶ月連続での上昇となり、23日に記録した24,124円は、1991年以来26年ぶりの24,000円越えとなり、まさに順調な滑り出しだったと言えます。

しかし、2月の上旬に値を崩し、わずか2~3週間の間に、一気に21,150円近くまで値を下げます。その後、少しずつ反発を繰り返しながらも、最終的には3月の下旬に、2万円ギリギリのところまで値を下げてしまいました。

その後は、じわじわと値を戻し4月〜8月までの約5ヶ月間は、22,000円前後で推移します。

 

9月に入ると急激に値を上げ、1ヶ月のうちに一気に24,000円を超えるまでに高騰します。これはアメリカ経済が好調(米国株が高騰)していたのに合わせて、円安ドル高が進んでいたことが背景として考えられます。

 

このまま好調に進むかと思われた市場ですが、10月に入ると一気に暴落します。たった1ヶ月間のうちに最大で24,270円→21,150円まで、3,000円以上の下げ幅を記録しました。これはリーマンショックがあった2008年10月に記録して以来の大きな下げ幅です。

その後一時反発したところもありましたが、12月に再び値を下げ、ついにはクリスマスにあたる12月25日に2万円を割ってしまいました(25日の終値が19,155円)。年内(28日)にはなんとか2万円代まで回復したものの、激動の1年だったと呼べると思います。

参考:日経平均 - Google 検索

 

日経平均とは

日経平均(株価)とは、日本を代表する225の銘柄を元に算出される株価指数のことです。年に1度見直しが行われますが、その時の日本経済を代表する(経済への影響力が大きい)企業が選出されます。

2019年1月時点での対象銘柄は、リンク先の通りです。

  • トヨタ(7203
  • NTT(9432)
  • 野村ホールディングス(8604)
  • 新日鉄住金(5401)
  • 住友商事(8053)
  • 大成建設(1801)
  • JR東日本(9020)

といった歴史ある大企業はもちろんのこと、最近では2018年10月に「サイバーエージェント(4751)」が追加され話題となりました。
➡︎ 銘柄一覧 - 日経平均プロフィル

 

2019年の相場はどうなるのか

2018年は激動と呼べる一年でしたが、2019年の相場はどうなるのでしょうか?

今世界の経済に大きな影響を与えているのは、やはりアメリカです。

特に米中の通商政策はまだまだ予断を許さない状況にあり、トランプ大統領の一言でNYの株式市場は上にも下にも大きく変動します。イランへの経済制裁や、ファーウェイの問題も見過ごせません。3月末にはイギリスがEUを離脱します。

NY市場に引っ張られるように、日本の市場(日経平均)も大きく上下することでしょう。

 

国内に目を受けても2019年は消費や経済にも大きく影響するであろうイベントが目白押しです。

4月には新元号が発表され、10月には消費税が10%に引き上げられます。ラグビーのW杯も日本で開催されます。また2020年の東京オリンピックまでついに一年というところまできました。

 

数多くの著名な投資家や経済評論家などが2019年の株価予想をしていますが、はっきり言って全体が同じような見立てを立てているわけではありません。

上がると予想している人もいれば、下がると予想している人もいます。筆者が調べたところによると、最大で16,000円〜28,000円までの開きがありました。4万円を突破するとの声もあります。

 

経済三団体が主催する新年祝賀パーティ(1月7日)に出席した、日本を代表する企業の社長へのヒアリングによると、13人の社長のうち11人が「2019年の経済は少し上向きになる」と答えています。この回答によると、日経平均は21,000~23,000円程度になると見込んでいるのでしょうか。

 

国家レベルのイベントだけでなく、予測もつかないようなイベントも数多く起こるでしょう。

2018年末はPayPay(ペイペイ)が100億円キャンペーンと銘打ち、多くの消費が促進されました。また2019年は年始からZOZOTOWNの前澤友作社長が1億円のお年玉企画を行い話題となりました。リツイート数が世界記録を更新していましたが、その裏で株価も上げています。

 

大局的な市場について見通しを立てるのも難しい上に、このようなイベントが発生していては日々の株価の値動きなどほとんど予測がつかないと言ってもよいでしょう。

個人的には「上向いて(値上がりして)欲しい」という希望はありますが...

 

個人投資家が考えるべきこと

株式市場、経済全体がどのようになるのかを予測することは困難を極めます。まずは大きな経済ニュースをきちんとチェックし株価に影響を与えるようなイベントを見逃さないようにすることが重要です。

 

株価の値動きを把握することは重要ですが、四六時中チャートに張り付いているようなプロのトレーダーを除いて、短期的な株価の上下に合わせて慌てて売買をするのはおすすめしません。

それこそプロでもなければ日々の値動きを全て追いかけることはできませんし、精神的にも物理的にも疲弊してしまいます。

 

株には「適正価格」と呼ばれる基準があると言われています。企業の業績や資産、経済状況などから評価し、XX円くらいであるべきと見積もった価格です。

適正価格の見積もりは人によって様々であり一様に評価するのは難しいですが、株や投資信託を買うときは「XX円まで上がったら(下がったら)売る」という基準を持つことが重要です。適正価格に対し、「割安であれば買い/割高であれば売り」という手法こそが、株式投資の大基本であり王道です。

 

かの有名なウォーレン・バフェットも「安く買って高くなるまで保持する。それだけだ」と述べています。
参考:ウォーレン・バフェットがアドバイス! 株価が下がっているときにやるべき2つのこと | BUSINESS INSIDER JAPAN https://www.businessinsider.jp/post-182781

 

確かに株価が下がることによる含み損は気持ちのいいものではありません。しかし、優秀な投資家ほど、値下がりをチャンスと捉え、割安なときに買い増しを行います。

彼らが冷静な判断を下せるのは、相場だけに左右されない自分自身の基準を持っているからです。

 

株式だけでなく投資信託の適切な基準価格を考えるのは簡単ではありません。ですが、相場を予測することは"より"困難を極めます。

2019年も相場が大きく動く可能性は十分に考えられます。想像もできない日々の値動きに振り回されることのないよう、自分の中にしっかりと軸を持って運用できるとよいでしょう。

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