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投資信託を始める前に
投資信託を始める人がまず考えなければいけないことが大きく2つあります。
1つが「どれくらいの資金を元手に、どの程度のリターンを目指すのか」という資産運用の目標(ゴール)です。
投資では、むやみやたらと高いリターンを狙ってはいけません。高いリターンには相応のリスクが伴いますし、運用の目標に伴って、投資すべき銘柄や期間は変わってきます。具体的にどの程度のリターンを設定するとよいのかについては以下のページで言及しているので、興味のある人はこちらもご一読ください。
そしてもう一つが「どんなポートフォリオを組むのか」という、具体的な投資のやり方です。投資信託を始めようと思った時に、ほとんどの人が「どんな銘柄を買おうか」「AとBのどちらに投資しようか」といったことに意識が向いてしまいます。
しかし、それ以上に重要なのが「それぞれの銘柄をどのような割合で持つのか」というポートフォリオです。ポートフォリオによって、リスクとリターンのバランスや、運用の安定感は変わってきます。
ここでは、そのポートフォリオについて、これから投資を始める初心者におすすめのバランスを具体的に考えていきたいと思います。
ポートフォリオについて考える大前提として、1つの銘柄に全ての資産を投じてはいけないという、リスクマネジメントの方法「分散投資」がありますが、それについては以下のページで解説しているので是非合わせてご一読ください。
ポイントは攻め・守り・余力の3つのバランス
ポートフォリオを考える時に重要なのは、「その資産がどんな特徴(性質)を持っているのか」ということです。投資には、儲ける・守る・調査・チャレンジなど、様々な目的が伴います。
投資初心者の人は、まずは以下のバランスのポートフォリオからはじめましょう。
- 50%:[攻め] しっかりと確かな収益を狙う資産
- 40%:[守り] 安全で確実に運用する資産
- 10%:[余力] 大きな利益を狙ってチャレンジしたり、調査するための資産
50%:[攻め] しっかりと確かな収益を狙う
投資をする以上、「資産を増やしたい」「利益が欲しい」という目的があるはずです。ポートフォリオにおいても、この資産の割合が最大になります。とはいえ、全体の半分程度に抑えておく方が精神的にも落ち着いて運用できます。
「利益を狙う」と聞くと、「がっつり儲ける!」といったイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、ここで重要なのは、より確実な利益が期待できる資産に振り分けることです。
最も適しているのは、Tortoise Partners(トータスパートナーズ)ような「絶対収益」を追求するヘッジファンドです。
Tortoise Partners(トータスパートナーズ)に関するページはこちら:
ですが、ヘッジファンドは最低出資金のハードルも高く(同社は1,000万円から)、誰でも簡単に投資できるわけではありません。似たような運用をするものとして、直販型(独立系)投資信託のひふみ投信などもオススメできます。
ひふみに関するページはこちら:
40%:[守り] 安全で確実に運用する
運用で資産を増やしたい、投資で利益が欲しいからといって、何でもかんでも儲かりそうなものに投資すれば良いというわけではありません。資産全体の30~40%は「より安全で確実なもの」に投資しましょう。
「確実な運用」と聞くと、債券などが思い浮かぶかもしれませんがここではETF(上場投資信託)をおすすめしたいと思います。ETFは、低コストであるにも関わらず、それ1つを購入するだけで様々な市場に分散投資できる上場投資信託です。
ETFについては以下のページで詳しく解説しているので、是非こちらもご一読ください。
10%:[余力] チャレンジ・調査する
最後の10%は、自由に使うことをオススメします。
流行りのテーマ型ファンドや、自分がこれから成長しそうだと思える業界に投資してもいいですし、いっそのことフィンテックや仮想通貨などに投資しても良いでしょう。
またそれ以外にも、単純に好き、普段からよく利用している、応援したい企業に関する銘柄を買っても良いかもしれません。反対に、調査や勉強を兼ねて、あまり馴染みのない業界に手を出してみてもよいでしょう。最近はWealth NaviやTEHO(テオ)のようなロボアドバイザーサービスもあるので活用してみても面白いかもしれません。
2つの注意点
このようにポートフォリオを考えて運用をスタートしたとしても最後まで油断してはいけません。運用を続けていくのであれば「リバランス」と「コスト」は常に意識するようにしましょう。
リバランスを怠らない
どんなに考えてポートフォリオを組んだとしても、そのままほったらかしにしてしまえば、そのバランスは必ず崩れてしまいます。
投資しているわけですから、それぞれの資産は増えたり減ったりするので当然です。もしかしたらチャレンジ資産が高騰し、全体の20~30%になっているかもしれません。
この崩れてしまったポートフォリオのバランスを放っておくと、当初の予定通りの運用成果は得られません。そうならないためにも適宜バランスを見直し、チューニング(=リバランス)することが重要になってきます。
繰り返しになりますが、ポートフォリオのバランスは、放っておくと必ず崩れてしまいます。自身の資産が今どのようなバランスになっているのかを必ず適宜確認し、最適なバランスを維持するようにしましょう。
なるべくコストは抑える
同じ運用をするのであれば、コストを抑えるに越したことはありません。年に1%の差であっても、長期で運用すればその差は無視できないものになってきます。
手数料面では、やはりSBI証券、松井証券、楽天証券などのネット証券がおトクです。また、NISAやiDeCoなどを活用することで、節税によるコストカットをすることもできます。
手数料や課税の仕組みは、簡単ではありませんが、きちんと調べることで「確実に」メリットが得られるものです。投資をスタートする前に、今一度きちんと情報収集をするようにしてください。
とはいえ、手数料を優先して考えると、より有益な(利益につながる)投資先を逃してしまうことになりかねません。例えば、ヘッジファンドは、ETFなどと「手数料」を比べると、非常に割高ですが、それ相応のリターンが得られます。
重要なのは、あくまでも「利回り」や「運用の質」です。ですが、もし同じ運用ができるのであれば(同じETFを買うのであれば)コストを抑えられる仕組みがないかを検討して損はありません。
まとめ
これから投資信託を始めようという初心者の人たちは、特に以下の3つのポイントを忘れないように心がけてみてください。
- バランスの良いポートフォリオ
- ポートフォリオは常にリバランス
- 同じ運用ならできるだけ低コストに
間違えてはいけないのは、「ポートフォリオ→コスト」の順で考えることで、間違えても低コストのものを探してからそれを組み合わせてポートフォリオを組んではいけないということです。
これは投資の初心者がよくやってしまいがちな失敗例なので必ず注意するようにしてください。コストという"目先の"利益に惑わされることなく、最適なポートフォリオを検討しましょう。