楽天・全米株式インデックス・ファンドとは

数あるインデックス・ファンドの中でも「楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)」というファンドが今人気を集めています。

 

確かに純資産は増加しており、ファンドの特徴やメリットを解説しているブログなども見かけますが、本当にこのファンドは"買い"なのでしょうか?

この投資信託だけではなく、類似商品(代替品)と比較しつつ本当に魅力的なファンドなのか改めて分析・考察してみたいと思います。

 

楽天・全米株式インデックス・ファンドの概要

  • 商品名:楽天・全米株式インデックス・ファンド
  • 愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)
  • 商品分類:追加型投信/海外/株式/インデックス型
  • 投資対象地域:北米
  • 投資形態:ファミリーファンド
  • 対象インデックス:その他(CRSP USトータル・ マーケット・ インデックス)
  • 信託期間:2017年9月29日〜無期限
  • 信託金の限度額: 5,000億円
  • 購入時手数料:なし
  • 信託財産留保額:なし
  • 運用管理費用(信託報酬):年0.1296%(税抜0.12%)
  • 委託会社:楽天投信投資顧問株式会社

参考:投資信託説明書(交付目論見書)|楽天・全米株式インデックス・ファンド 愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)
https://www.rakuten-toushin.co.jp/fund/nav/rivue/pdf/rivue_P.pdf

 

特徴:アメリカ株式市場の動きに連動する

楽天・全米株式インデックス・ファンドはアメリカの株式市場に連動することを目標に運用されるインデックスファンドです。

為替ヘッジも行わず、バンガード社が運用する「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」を主な投資対象とするとあり、このETFは「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」に連動するように運用されます。

そして、この「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」は大小含むアメリカのほぼ全ての株式、約4,000銘柄を時価総額で加重平均した株価指数です。まとめると以下のようになります。

  • 楽天 ➡︎ バンガードETF ➡︎ CRSP ≒ アメリカの全銘柄の平均

 

「バンガード社(Vanguard)」は、5兆ドル(530兆円)以上を運用する、世界最大規模の資産運用会社の一つです。特にインデックス・ファンドの領域で世界的な評価を得ており、1976年に世界初の個人投資家向けインデックスファンドを設定以来、No.1のシェアを占めています。

このように、由緒あるETFに投資することで、アメリカ市場全体に投資するのが、楽天・全米株式インデックス・ファンドです。

 

楽天・全米株式インデックス・ファンドがおすすめされる理由

高利回り(ハイパフォーマンス)

楽天・全米株式インデックス・ファンドは、アメリカ市場の高成長に投資することで高い利回りが期待できる点が、人気のポイントです。実際、設定されて1年と経たず(2017年9月〜2018年8月)に、+15%以上の好成績を修めています。

出典:月次レポート|楽天・全米株式インデックス・ファンド
https://www.rakuten-toushin.co.jp/fund/nav/rivue/pdf/rivue_M201808.pdf

高い利回り(高収益)が期待できる。投資信託を語る上で、シンプルにして、最も重要なメリットです。

 

低コスト

もう一つのメリットが、低コストである点です。これも、投資信託を選ぶ上で、最も直接的でわかりやすいメリットの一つでしょう。

「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は、その名の通りインデックス・ファンドです。一般に、インデックス・ファンドがアクティブ・ファンドと比較して手数料が割安であるという例に漏れず、このファンドの手数料も割安に設定されています。

  • 購入時手数料:なし
  • 信託財産留保額:なし
  • 運用管理費用(信託報酬):年0.1296%(税抜0.12%)

上記の通り、売買に手数料はかかりませんし、信託報酬も最低限と呼べる0.12%しかかかりません。手数料の面で、このファンドが他のファンドに後れを取ることはほとんどないと言えます。

 

実は、ETFに直接投資もできる

先述の通り、楽天・全米株式インデックス・ファンドは、「マザーファンドを通じて『バンガード・トータル・ストック・マーケットETF』を実質的な主要投資対象とする」としています。つまり、間接的にこのETF(上場投資信託)を購入していることと大差ありません。

実は、この「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」はネット証券などで直接購入できます。

 

しかも、このETFは、自分で直接購入した方が圧倒的におトクなのです。

バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)の信託報酬はわずか0.04%に設定されています。このETFを直接購入すれば、より低コストに「楽天・全米株式インデックス・ファンド」と同じ収益が期待できます。

 

ETF投資の罠

ここだけの話を聞くと、「楽天・全米株式インデックス・ファンドではなく、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)を直接購入すればよいのでは?」と考える人も出てくるかもしれませんが、そこに落とし穴が存在します。

 

楽天がわざわざETFに投資するインデックス・ファンドを立ち上げたのには理由があります。その最も大きなものが「為替手数料」と「売買手数料」でしょう。

 

VTIを直接購入する場合、ドル建てでないといけないため、当然為替手数料が発生します。1ドルにつき0.25円かかるため、1ドル=100円として、0.25%もの手数料が発生するわけです。

また、売買手数料もバカにできません。証券会社によって差があるものの、手数料の安い大手ネット証券のSBI証券やマネックス証券で、約定額の0.45%(最低5ドル、最大20ドル)となっています。

仮に4,500ドル(約45万円)以上まとめて購入するのであれば、売買手数料の割合を0.45%以下にすることもできますが、この0.45%と先ほどの為替手数料0.25%を合わせた0.70%が取引のたびに発生すると考えた方がよいでしょう。

 

NISAを活用すれば、買付手数料を無料にすることもできますが、あくまでも「買付時」の話であり、売却時のことも考えなければいけません。楽天・全米株式インデックス・ファンドの購入時手数料がゼロであることを考えると、無視できる数字ではありません。

 

まとめ

このように「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は、低コストで高い利回りが期待できる点が魅力的です。

大元となっているETF(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF, VTI)を直接購入することもできますが、手数料や、為替の手間を考えると、わずか0.12%の手数料(信託報酬)でそれを補ってくれると考えれば、十分に元が取れると考えられます。

また、楽天証券を利用すれば、積立投資なども簡単に行えますし、楽天ポイントが活用できるといったメリットも挙げられます。

 

「投資信託に興味はあるけれど何から始めて良いのかわからない」
「まずは手堅く、簡単なものから始めたい」

と考える、投資初心者にはうってつけの銘柄と言えるでしょう。

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