2019年10月には消費税が10%になると言われています。税金は上がるばかりで、将来への不安は尽きません。

年金などにも頼れなくなってきており、ますます自分自身で資産を築き、老後に備えることが必要となってきています。

そんな中で投資を始めようと考えられている方も多いのではないでしょうか。

 

「投資」と考えてまずはじめに思いつくのはやはり「投資信託」でしょう。

そんな中で、今回は楽天証券の買い付け金額ランキングで1位(2019/3/11~3/15)になっている「ニッセイグローバル好配当株式プラス」について解説していきます。

出典:全銘柄ランキング(買付金額) | 投資信託 | 楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/find/ranking/ranking.html

 

ニッセイグローバル好配当株式プラスとは

基本情報

  • 商品名:ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月決算型)
  • 投資対象資産:その他資産(投資信託証券(資産複合(株式・株式オプション取引)))
  • 商品分類:追加型/内外/株式
  • 信託期間:2025年10月15日まで (設定日:2011年11月1日)
  • 購入時手数料:3.24%(税抜き3.0%)以内
  • 信託財産留保額:なし
  • 運用管理費用(信託報酬):純資産総額に対して年率1.6956%(税抜1.57%)
  • 為替ヘッジ:なし
  • 委託会社:ニッセイ・アセットマネジメント株式会社

参考:ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月決算型) | 投資信託 | 楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C00080J9

 

運用の特徴

それでは、運用の詳しい内容を見ていきましょう。

ニッセイグローバル好配当株式プラスの特徴に「プレミアムプラス戦略」というものがあります。

参考:ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月決算型) | 投資信託 | 楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C00080J9

プレミアムプラス戦略では、オプション料収入を獲得し安定した収益の確保を狙います。いわゆるコールオプションの売却側の立場をとっています。

そう言われても訳が分からないですよね。笑

 

オプション取引とは、予め「権利行使価格」を設定し、それを超える場合の収益を放棄する代わりに、値下がり時やあまり株価が動かない時に、固定の収入を得られるようにする仕組みのことです。

つまり、「株価が大きく値上がりしたときにその利益を放棄する」代わりに「株価があまり動かかなかった時はオプション料分を得をする」、もしくは「株価が値下がりした時はオプション料分損失が軽減される」というものです。

 

詳しくは細かく解説していきますが、結論から言えばズバリこの「プレミアムオプション戦略」がよろしくありません。その理由を順にに見ていきましょう。

 

プレミアムプラス戦略がNGな理由

① 値下がりケースの成果

まずは、株が値下がりするケースを見てみましょう。この時、収益はどのようになるのでしょうか。

参考:ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月決算型) | 投資信託 | 楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C00080J9

 

一番右端が運用成果です。

株価が下がればもちろんその分損失が発生します。ただし、配当とオプション料収入がありますのでその分は軽減されるというイメージ図になっています。

 

ここで重要なのは損失の上限が決まっていないという点です。

株価が下がれば下がり続ける分だけ損失は拡大してしまうのです。確かに配当とオプション料の分は軽減されますが、株が暴落したらそんなのは焼け石に水です。

オプション取引を行う事によって大暴落を回避できるわけではありません。

 

② 株価があまり動かないケースの成果

続いて、株価があまり動かないケースを見てみましょう。

参考:ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月決算型) | 投資信託 | 楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C00080J9

 

この場合は、オプション取引が活きます。

本来であればわずかな値上がり益のみしか受け取れませんが、オプション料収入分が上乗せされています。

 

しかし、運用成果を注意してみて下さい。

イメージ図で見ると値上がり益が一番大きくなっておりオプション料収入の方が小さくなっています。もちろん株価の動き次第なのでどの要素が一番大きくなるのかは場合によって異なります。

 

ただし、総じて言えるのは「オプション料収入はそんなに大きいものではない」ということです。

実はこの「大したことない収入」のために放棄している対価が大きすぎます。次の株価が上昇するケースを見てましょう。

 

③ 値上がりするケースの成果

株価が大きく上昇するケースの収益は以下のようになります。

参考:ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月決算型) | 投資信託 | 楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C00080J9

 

中ほどに「権利行使価格を超える値上がり益は受取れません」との記述があります。オ

プション取引によって一定以上の株の値上がり益は受取れなくなっているので、仮に大きく株価が上昇したとしてもそれはオプション取引の相手方の利益になってしまうのです。

 

たとえ、株価が10倍になったとしても、受け取れるのは上限までの値上がり益とわずかなオプション料収入のみです。

投資において「大きく儲けるチャンスを逃す」というのは絶対にやってはいけないです。

 

総括 - プレミアムオプション戦略の是非 -

ニッセイグローバル好配当株式プラスが採用している「プレミアムオプション戦略」は次のようになります。

  • 株価が下がっているとき:損失を少し軽減する。ただし、損の下限はなし
  • 株価が動かないとき:少しの利益(オプション収入)が得られる
  • 株価が上がっているとき:得られる利益は「権利行使価格」まで。放棄する収入は青天井

 

つまり、株価があまり動かいなような相場で配当やオプション料収入をコツコツと積み上げてくような投資戦略です。

たしかに、相場がずっと横ばいのときには悪くないかもしれませんが、大きく株価が上昇した時は値上がり益を放棄しなければなりません。リターンの上限が決まっており大儲けすることはできません。

 

一方で損失に対しては、下限が決まっていません。株価が値下がりすればどんどん損失が拡大していってしまいます。

 

つまり、リターンはコツコツなのに負けるときはドーンと負けてしまうのです。これは、個人投資家が投資に失敗してしまう典型的な投資戦略です。

 

投資における理想は「リスクを抑えてリターンを増やすこと」です。

もちろんあまりにアンバランスなものは成立しませんが、銘柄選定やポートフォリオの組み方でリスク当たりのリターンを大きくすることこそ、投資家の腕の見せ所と言えます。

その点に関しても、「ニッセイグローバル好配当株式プラス」はリスク回避の手段(プレミアムオプション戦略)と、そこから得られるリターン(オプション収入の仕組み)のバランスが取れてはいないのではないでしょうか。

 

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