投資(資産運用)の手段は様々あります。投資の手段としてメジャーなものとしては
- 株
- 債券
- 投資信託(ファンド)
- 不動産
- FX
- 預金、貯金
などが考えられるでしょう。
この中で最も人気があるのが投資信託(ファンド)での運用です。ファンドとは、「特定の目的のために市場(投資家)から資金を調達し運用する金融機関」のことであり、それを証券化した投資信託は多くの投資家の主な運用手段となっています。
やはり株式投資や債券投資は、一つ一つの株価/債券の精査やポートフォリオの組成が難しく、一般の投資家にはハードルが高いものがあります。
不動産投資は、ポートフォリオの一つとして組み込む価値はあります(不動産オーナーになると節税にも活用できます)が、不動産投資をメインにする、いわゆる「土地ころがし」のような人は決して多くありません。
FXは読みが難しく安定的に運用することが困難なことは言わずもがなであり、預貯金をベースにしていては資金を増やすことはできません。
これらの手段と比較して投資信託(ファンド)での運用が、コスト面、リスク・収益面共に優れていることは当然ですが、一口に「投信(ファンド)」といっても、最近は種類が増えてきており、またそれぞれに特徴やおすすめできるポイントがあります。
ここでは、投信(ファンド)を
- インデックスファンド
- アクティブファンド
- ヘッジファンド
- ロボアドバイザー
の4つに分けてそれぞれがどんな人に向いているのかを整理していきます。
目次
4種のファンドタイプ別おすすめの運用プラン
ロボアドバイザーがおすすめのタイプ
ロボアドバイザーでの運用は「まずは低コストで少額から運用を始めてみたい人」に適しています。
投資に興味はあるけれど「時間に余裕もないしリスクもよくわからないのでまずは少額から始めてみたい」という人は少なくありません。
"まずは"と考えている人は、少額から始められて、しかも低コストなロボアドバイザーでの資産運用適しているでしょう。ロボアドバイザーとは、近年新しく始まったサービスの一つで、FinTech(フィンテック)の一つに分類され、AI(人工知能)が自動で資産運用してくれるサービスです。
ロボアドバイザーの中でも最大手であるTHEO(テオ)とWealthNavi(ウェルスナビ)はどちらも1%以下の手数料で始めることができますし、特にTHEO(テオ)の方は1万円から始めることができます。
運用はロボアドバイザー(AI)が自動で調節してくれるので、一度始めてしまえばあとはほったらかしにしてしまえるところも、忙しい会社員には嬉しいポイントです。
積立投資にも対応しているので、本当に手間なく、ラクに資産運用を始めることができます。
インデックスファンドがおすすめのタイプ
インデックスファンドでの運用は、「低リスクで長期間の安定した運用したい人」に適しています。
ロボアドバイザーよりも、もう少し本格的に資産運用をしたい。しかし、毎日値動きの上下に振り回されないような安定した商品に投資したいという人には、インデックスファンドタイプの投資信託が適しています。
インデックスファンドとは、特定の指標(インデックス)をベンチマークに、指標に連動するように運用されるファンドのことです。ベンチマークに選ばれるのは、世界的な経済指標や、TOPIXやNASDQなどの特定の国や地域の経済指標が一般的です。
2018年の(2019年1月に発表)ファンドオブザイヤー, Fund of the Yearでもインデックスファンドが上位を占め、今投資信託業界ではインデックスファンドが最も人気があることがわかります。
インデックスファンドは、特定の指標をベンチマークとしている分、個別の銘柄や特定の業界に投資する、いわゆる「テーマ型」と呼ばれるファンドやアクティブファンドと比較して手数料が安い(低コストな)傾向があります。
また、広く分散投資をしていることにもなるため、世界経済が順調に成長している限り、小さな波はありつつも、中長期で見れば安定的な運用となるでしょう。世界恐慌にでもならない限りは、20年30年に渡って、長く運用することができるはずです。
一方で、ある種ディフェンシブ(守り)な運用となるため、大きなリターンはそこまで期待できません。年2~3%、よくても5%程度の利回りが限界かと思います。
ただし仮に年利2%で20年運用を続けると約1.5倍、3%であれば1.8倍に資産は増えます。複利を考えると決して無視できる利回りでは無く、十分な価値が見込めるでしょう。
このランキングにも登場するいくつかのファンドについて、個別に詳しく解説した記事も掲載しております。興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
アクティブファンドがおすすめなタイプ
アクティブファンドでの運用は「ある程度の収益を期待したい人」に適しています。
「インデックスファンドの利益では物足りない」
「投資で収益が得られるほどのしっかりとした収益が欲しい」
と、より大きな利益を追求したい人は、さらに収益が期待できるアクティブファンドタイプの投資信託での運用がおすすめです。アクティブファンドとは、特定の指標などを目標に置かず、局面に左右されず着実な利益を追求するファンドのことを指します。
「アクティブ」と「アグレッシブ」を勘違いし、積極的にリスクをとって利益を追求するリスキーなファンドや、買収や合併などを仕掛けるようなファンド、"ハゲタカ"などとも揶揄されるようなファンド、ベンチャーキャピタル(VC)などと混同してしまっている人もいるでしょうが、決してそうではありません。
もちろん、これらのファンドもアクティブファンドの一部ではありますが、全てのアクティブファンドがそうというわけではありません。基本的には、収益を追求するために経営者へのヒアリングを積極的に行ったり、ポートフォリオを柔軟に変化させるファンドと考えれば良いでしょう。
日本のアクティブタイプのファンドで最も有名・人気があるのはひふみ投信でしょう。ひふみ投信は藤野英人氏が代表権CIO(最高投資責任者)を務める、日本のアクティブタイプの投資信託です。
その投資方針は「日本の成長企業に投資する」となっており、銘柄や業界に縛られず、また特定の目標を設定することなく利益を追求した運用をすることが伺えます。
ただ、一方で「守りながら増やす」という方針も併せ持っており、決してハイリスクな運用をしようというわけではないということもみて取れます。
ひふみ投信については、以下の記事で詳しく解説しているので興味のある人は是非参考にしてみてください。
一方で、アクティブファンドは、銘柄選びを間違えると、利益が出ないどころか損をしてしまうものも少なくありません。日本にある約6,000の投資信託のうち、90%以上が損に繋がっているというリスクもあります。銘柄選びは慎重にしましょう。
ヘッジファンドがおすすめのタイプ
ヘッジファンドでの運用は「中長期に渡って資産形成をしたい人」に適しています。
ここまでの投資信託では、ある程度の利益が期待できるものはあるものの、それで生活や資産レベルが変わるものではありません。
仮に資産を3倍にできたとしても、元手が100万円であれば300万円(+200万円)です。いきなり手にすることができれば確かに大金ですが、人生を一変させるほどではありません。
しかし、1,000万円の元手があれば、たとえ2倍であっても+1,000万円の収益を得ることができます。大きくまとまった資金がある人はそれを安定して長く運用することができれば、人生設計を見直せるほどの利益が得られます。
先述のように年3~5%でも長いこと運用できれば、複利の効果で資産を数倍にすることはそこまで難しくありません(年利3%20年で1.8倍、30年で2.4倍。年利5%20年で2.7倍、30年で4.3倍)
しかし、1,000万円を超えるようなまとまった資金の運用を、一般的な投資信託で運用するのは気がひけるでしょう。そういった場合には、資産運用の専門機関であるヘッジファンドを活用するのがおすすめです。
一般に富裕層向けのサービスであるヘッジファンドは、口コミ・紹介を中心に投資家を募る(私募)のため、ポピュラーではありませんが、1,000万円を超えるような資金をお持ちの場合は、ホームページ等から直接問い合わせてみると良いでしょう。
ネットから問い合わせ可能なおすすめのヘッジファンドを以下に紹介しているので、興味のある人は参考にしてみてください。
まとめ - 投資を始める時の注意点 -
このように一口に「投信」「ファンド」といってもその内容は様々です。それぞれの特徴をしっかりと理解し、自分にあったものを選択することが必要になります。
また、自分にあった投資の手段を考える上での大前提になりますが、自分がどんな運用をしたいのか(どれくらいの資金を元に、どれくらいのリスク・利回りを求めるのか)を予めはっきりとさせておかなければいけません。
投資には計画性が求められます。ご自身の収入や資産、将来設計と合わせて、しっかりと検討してみてください。