今回は「1億円」の資産運用についてその方法を考えていきたいと思います。
当サイトでは、1,000万円や数千万円単位での資産を運用する方法についてたびたび言及してきましたが、「1億円」ともなると、また考え方が変わってきます。
1億円を運用しようという方は決して多くないでしょうが、そういった方々がどのような考えで資産運用をしているのかを知ることも十分に勉強になるでしょう。
1,000万円レベルの資産運用とはまた少し考え方が変わってきますので、是非参考にしてみてください。
1億円の運用プラン - 年何%で運用するべき? -
いくらを運用する場合でも同じですが、まずはじめに年何%程度の利回り(パフォーマンス)を目標とするのか、運用のゴールを設定しましょう。
1,000万円程度の金額であれば年10%程度の利回りを狙いたいところですが、1億円もの元手があるのであれば狙うべき利回りは年5%程度で十分です。
理由は簡単で、元本が大きい分利回りが小さくても十分なリターンが得られるためです。1億円の5%にあたる500万円という金額は、日本人の平均年収以上の金額です。
もちろん、年10%を超えるようなリターンを追求すれば、その分得られる収入は大きくなりますが、高い利回りにはそれ相応のリスクが伴います。
史上最高の投資家と言われているウォーレン・バフェット(Warren Edward Buffett)ですら、その利回りは平均で年20%程度です。素人投資家が、年10%以上の利回りを狙うのは相当困難だと言えます。
ちなみに、1億円を5%で運用した場合の資産額の推移は以下の通りになります。
スタート | 1億円 |
1年後 | 1.05億円 |
2年後 | 1.10億円 |
3年後 | 1.16億円 |
5年後 | 1.28億円 |
10年後 | 1.63億円 |
20年後 | 2.65億円 |
10年で6,300万円、20年で1.65億円(年平均800万円以上)もの収入になります。
元本を崩さず、安定したパフォーマンスを出すことが条件にはなりますが、長期安定運用さえできれば、パフォーマンスを抑えてもこれだけの利益が期待できるのです。
運用方法 - 代表的な投資の比較 -
株・投資信託
投資の代表格と言えば「株」や「投資信託」ですが、結論から言うと、1億円レベルの資産を運用するのに株も投資信託もおすすめできません。
いずれも、「長期」で「安定した」運用をするのに適していないのです。
株式市場は、ほとんど知識を持たない素人も、様々な金融的知識を持つプロも、全く同じルール・土俵で戦うシビアな戦場です。
機関投資家やヘッジファンドは綿密な分析をし、で高度な投資理論をもとにトレーディングを実践するので、浅はかな知識で参加している素人はカモにされてしまう可能性があります。
仮に本気で株式投資をするのであれば、少なくとも、一日に5〜6時間程度は投資の勉強時間をとるべきです。それが難しい場合には、やはり他の方法で運用することを検討しましょう。
そもそも投資信託は、6,000本以上あるうちの90%以上が市場平均以下のリターンしか期待できないというデータもあります。
安定運用はおろか、それなりの成果を期待することさえも難しいのです。
不動産
不動産投資のメリットはローンを組めるところにあります。借入をすることで、運用規模を大きくし、より効率のよい資産運用ができるようになります。
手元に資産があっても、これは変わりません。資産を担保に、その信用力を活かしてより大きな借入をすることができます(また、それほどまでの資産を築けた収入やキャリアも信用になるでしょう)。
ただし、株式投資と同じくかなりの専門性が求められ、時間を費やさなければならないという問題があります。
一口に「不動産投資」と言っても、きちんと利益が期待できる物件に出会える可能性は「1%」程度です。不動産に関する知識を十分に備えた上で、数百件以上の不動産を巡り「これだ!」と思える物件に集中的に投資する必要があります。
また、業界に精通している人物にコネや人脈がないと不動産投資は上手くいきません。本当に優れた物件の多くは、一般市場に出回る前に、業界内で取引されてしまうためです。
これらの条件がクリアできないのであれば、不動産投資はおすすめできません。不動産投資で財を成した人は大勢いますが、誰でも簡単にマネできるものではないのです。
ヘッジファンド(プライベートファンド)
ヘッジファンドは世界の富裕層の間で最も信頼されている資産運用の方法(サービス)と言えるでしょう。
ファンドに出資して運用するためには、ある程度まとまった資金が必要になりますが、1億円の資産があるのであれば十分に検討に値します。
ヘッジファンドのメリットは、やはりリターン(利回り)の高さや安定性が挙げられます。
投資のプロによる専門性の高い運用はは、やはり市場のパフォーマンスを大きく上回る成果を残せるということが歴史的にも証明されています。
また、一度資金を預けてしまえば特に時間を割かなくても良いというのもヘッジファンドのメリットです。
株や投資信託、不動産投資の場合、どの株を買うか、売るか、いつ投信を解約するか(他の投信に切り替えるか)、物件をどのように回すかなど日々考えなければならないことが山のようにありますが、ヘッジファンドであれば預け入れて(出資して)からは、基本的に運用を一任することになります。
投資に手間を取られず、本業に集中することができるのは良いポイントでしょう。
一度出資してしまうと、数ヶ月単位で資金が固定されてしまうという「流動性の低さ」に懸念点もありますが、総合的に最もおすすめできる投資先です。
まとめ
今回は1億円を例に挙げましたが、まとまった資産を運用する場合には、少しでもリスクを抑えて着実で安定した運用をすることが最重要です。
また、運用の規模が大きくなることで、より高い専門性や運用にかける時間・手間隙が必要になります。
ですが、運用資金が増えるメリットは運用方法の選択肢が増えることです。
ここで紹介したように、ヘッジファンドなどは優れた投資先ですが、ある程度の資金がなければ出資することも許されない選択肢です。
資産があるからこそ実現できる優れた投資先にぜひ目を向けてみてください。